台風15号 昨年の台風21号並みの「非常に強い」勢力に
■交通機関にも大きな影響
台風15号は8日午後10時時点で、伊豆大島の南南西約50キロを時速約20キロで北に進んでいる。中心気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速45メートル。中心の南東側90キロ以内と北西側70キロ以内では、風速25メートル以上の暴風となっている。9日未明から明け方にかけて、関東地方に上陸し、9日昼前にかけて関東地方を通過する見込み。 関東地方南部では記録的な暴風の吹く恐れがあるとして、気象庁が警戒を呼びかけている。 台風の強さは、8日午後9時時点で、それまでの「強い」(最大風速33メートル/秒以上、44メートル/秒未満)から「非常に強い」(同44メートル/秒以上、54メートル/秒未満)勢力に変わった。 「非常に強い」台風は、昨年9月、近畿地方などに大きな被害を与えた台風21号と同じ勢力だ。京都大学防災研究所の研究チームは昨年のこの台風21号の通過に伴い、大阪市の中心街では瞬間的に、新幹線並みの速度で、木造住宅が倒壊し始めたり、鉄骨倉庫が変形するようなこともある、毎秒70メートルに迫る猛烈な風が吹いていた可能性があるとする研究結果を明らかにしている。 大都市の場合は、高層ビルなどが林立していて、凸凹が激しい。このため気流が乱れてしまうことが原因の一つと考えられているが、当然ながら、首都圏も同様に多くの建物が林立し、凸凹が激しい。このため、条件が揃ってしまうと、局所的に猛烈な風に襲われる場所が出てくる可能性もありそうだ。 すでに、東京都神津島空港では8日午後9時3分に、特急電車並みである最大瞬間風速58.1メートルの猛烈な風を観測。このほかの地域でも、観測史上1位の風を観測したところがあるため、これから台風が接近する地域では大雨による浸水害、土砂災害などとあわせて、暴風に対しても最大限の警戒が必要だろう。 なお、9日はJRの首都圏の在来線が始発から午前8時まですべての路線で運休を決めるなどした。週明けの月曜日だが、その他の交通機関も含め、長時間にわたって影響が出ることは避けられそうにない状況であることにも留意したいところだ。