国学院大が5年ぶり2度目のV 主将の平林清澄がアンカーで区間トップの快走/出雲駅伝
出雲全日本大学選抜駅伝競走(14日、出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前=6区間45・1キロ)大学三大駅伝の開幕戦。国学院大が2時間9分24秒で2019年以来5年ぶり2度目の優勝を果たした。5区で上原琉翔(りゅうと、3年)が区間賞の走りでトップに立つと、最終6区で主将、平林清澄(4年)も区間トップの快走で駒大との競り合いを制した。3連覇を狙った駒大が40秒差の2位、今年1月の箱根駅伝総合優勝の青学大が1分差の3位、創価大が4位、アイビーリーグ選抜が5位だった。 最高気温が28度を超えた出雲路を制したのは、国学院大だった。アンカーの平林は力強いガッツポーズでゴールテープを切ると、チームメートの胸に飛び込んだ。 「みんなの勢いを借りて優勝できた。自分の走りが最後までしっかりできた。初めて前に誰もいないゴールテープが切れてよかった」 前半区間で上位に食らいつくと、4区で区間賞の野中恒亨(2年)がトップ駒大との差を9秒差に縮めた。5区の上原琉翔(3年)も区間賞で駒大を逆転。4秒差をつけると、最終6区で平林も快走した。1キロ過ぎに駒大のエース、篠原倖太朗(4年)に追いつかれたが、4キロ過ぎの上りでロングスパートをかけて突き放した。 国学院大が三大駅伝で初優勝を飾った2019年の出雲駅伝もアンカー対決だった。当時エースの土方英和(現旭化成)が区間賞の走りで駒大を逆転。この時の前田康弘監督の男泣きを見て、平林は進学を決意した。大会前日、土方からLINEで「ここで優勝したらドラマだな」と届いた。「ドラマを作ってきますと返信した。再現ドラマ並みのドラマが作れた」とエースは胸を張った。 マラソンで28年ロサンゼルス五輪出場を狙っている。今年2月の大阪マラソンで日本歴代7位(当時)の2時間6分18秒で優勝。初マラソンの日本記録を樹立した。来年9月の世界選手権(東京)の参加標準記録も突破。今夏は月間1100キロを走り込み、指揮官も「平林は東京の世界陸上を見ている。代表を取りに行くにいくスタミナが生きた」と目を細めた。 11月3日に全日本大学駅伝、そして正月には箱根駅伝が控える。「120%の準備をしっかりやって、全日本で勝負を仕掛けて勝ちに行きたい」と平林。国学院大の挑戦が幕を開けた。(川並温美)