農作物受粉用ハチなど生産 茨城の事業者、甲佐町に九州初の生産拠点
農作物の受粉に使うマルハナバチや、天敵の虫で害虫を駆除する「生物農薬」を販売している「アグリ総研・アグリセクト」(茨城県稲敷市)が甲佐町西寒野に事業所を整備し、4日、現地で落成式を開いた。同社が茨城県外に生産拠点を設けるのは初めて。 同社は2004年の創業。日本で唯一、国産のマルハナバチを商品化し、化学薬品を使わず害虫を駆除できる生物農薬を開発している。従業員は117人で研究から販売までを一貫して手がける。農業が盛んな九州に進出しようと、22年から甲佐町で事業所の整備を進めていた。 事業所は国道443号沿いに立地し、鉄骨平屋で延べ床面積1429平方メートル。マルハナバチ2種と生物農薬2種を先行して生産、販売する。従業員20人のうち14人を地元から雇用する。 式には関係者ら約40人が出席。同社の西川嘉俊、手塚俊行両代表取締役は「熊本、甲佐町を活気づけるべく、一丸となり事業にいそしむ。日本の農業に貢献したい」とあいさつした。甲斐高士町長は「町も環境保全型の営農を推進しており、事業に期待している」と祝辞を述べた。(枝村美咲)