オックスフォード大と稲盛財団、「京都賞」の英国内シンポジウム開催で合意
稲盛財団側は、欧州での京都賞の認知度向上に期待
一方、稲盛財団側は、金澤しのぶ副理事長が稲盛理事長のコメントを代読した。この度の合意について、稲盛理事長は、「国も宗教も民族も超えて、人類社会の安定した未来を望む気持ちが1つになったことに心から感動しています」と歓迎した。 また、「これまで、日本や米国西海岸では受賞者の講演会を毎年実施してきたが、欧州では定期的な活動を行っておらず、欧州における認知はいまだ十分とは言えません。今回の提案は私どもにとっても大変ありがたい話であり、Kyoto Prize at Oxfordを通じて、欧州の皆さんにも京都賞への理解を深めてほしい」と期待した。 質疑応答で、英国がEUを離脱した場合の影響について問われたリチャードソン総長は、「英国内の大学の上層部はいずれもEUからの離脱をとても心配しており、オックスフォード大学でもEUに残ることを希望していますが、もし離脱した場合には2つの影響があります。1つは財政面で、離脱すればEUの欧州リサーチ・カウンシルからの助成金を受けられなくなります。2つ目は共同研究。今国境を超えた共同研究が活発ですが、これは国境がオープンであることが前提であり、離脱すれば大きな影響を受けるでしょう」と述べた。一方、「万が一離脱しても、オックスフォード大学の京都賞への姿勢は変わることがありません」と強調した。 (取材・文:具志堅浩二)