『鬼滅の刃』宇髄稽古を受けた炭治郎に感じる成長 隊士との交流を描いた“狙い”とは?
無惨とのラストバトルを予感させる蛇柱・伊黒のセリフ
「柱稽古編」はコミックスでは単行本の第15巻から第16巻に収録されているエピソードとなっているため、アニメ版の大半がアニオリになることは、放送前からわかっていた。とはいえ、第3話で描かれたのは原作の見開き1ページほどの、第1話と第2話に比べると進行具合はかなりスローダウン。しかし、炭治郎の成長と鬼殺隊の面々との対話シーンを濃密に描くことで、この先の伏線を張ることに成功していた。原作ファンであれば、きっと隊士との絡みがどういう意味を持っているのか、想像がつくはずだ。 第1話の冒頭で蛇柱・伊黒と風柱・実弥が鬼が潜伏する城へと潜入するシーンが描かれていたが、ここで再び2人の会話がインサートされていた。伊黒の「この静けさは……嵐の前触れなのではないかと」という言葉からはもうすぐ嵐という名の無惨とのラストバトルが近づいていることを予感させる。これまでは「無限列車編」では炎柱・煉獄、「遊郭編」では音柱・宇髄「刀鍛冶の里編」では恋柱・甘露寺、霞柱・無一郎が活躍してきたが、「柱稽古編」では蛇柱と風柱の2人がメインで描かれるパートと言えそうだ。 次回は無一郎が炭治郎に稽古をつける。原作では実に9コマの短い尺をどんなアニオリ描写で見せてくれるのか。
川崎龍也