<城氏が語る>タイ戦勝利も噛み合わないハリルJ 原因は本田&香川の不調
日本代表の“永遠の命題”とも言える決定力の問題と共に、この2試合で気になったのは海外組のコンディションの悪さだ。岡崎はタイ戦を外れたが、香川、本田の2人も、この2試合の出来は決してよくなかった。香川はゴールを奪えば変わるのかもしれないが、もうひとつ乗り切れない。 本田も前半23分、浅野からゴール前に送られた絶好のパスにステップが合わなかった。ACミランで90分間、出場できていないという試合勘の“ずれ”を隠せなかった。ずっと体が重そうにも見えた。UAE戦では、海外組の何人かの合流が一日遅れた。時差などを含めてコンディションの修正は、来日、3日目、4日目が、一番難しいのだが、海外組の移動というハンディがもろに影響してしまっている。 おそらくハリルホジッチ監督は、コンディションを最優先に考えて選手起用をしているのだろうが、そのあたりの見極めも今後は重要になってくる。もっとも、海外組が代表戦にピークを持ってくるような、それぞれのコンディション調整を工夫することが必要なのだろうが。 またハリルホジッチ監督の采配にも疑問は残る。 選手交代のカードを切ったときに、なぜ、どういう狙いで投入するのかのメッセージ性が弱いのだ。タイ戦も選手の消耗度や、できるだけ点差をつけておかねばならない状況を考えると、武藤、宇佐美の投入タイミングもワンテンポ遅かったように感じた。 日本代表は、来月6日にホームの埼玉でイラク戦、11日にはメルボルンで強敵の豪州と対戦する。豪州は一時期のチームに比べると力は落ちているが、タイ戦でリセットしたチームが、この2試合をどう乗り切るかが、最終予選の最初のヤマ場になりそうだ。 (文責・城彰二/元日本代表FW)