【速報】奈良県がJTBを提訴する考え JTBは「一方的な訴訟提起の発言に驚いている」 コロナ対応《飲食店のアクリル設置調査》などで過払い金6300万円か…
奈良県の山下真知事は、新型コロナウイルスの関連業務を委託していた県内の事業者に対し、債務不履行があったとして、損害賠償請求を起こす考えを示しました。 【画像を見る】奈良県の山下知事「契約めぐる見解の隔たりが大きい」など記者会見の発言 奈良県は、去年7月の監査結果をきっかけに、奈良県が契約していた大手旅行会社JTBの奈良支店に過大請求の疑いが生じ、その後再点検、シフト表を比較などしたところ、精算時に提出された実績報告書と勤務日数の実績に関する資料に差異があることが判明した、と説明しています。 県によると、2021年に実施した、飲食店がコロナ対応できているかどうかを県が認証する際に調査する業務や、コールセンター、自宅療養者への連絡業務など計9業務で、過払い額が6300万円あるとしています。 山下知事は、ほか9件については事業者から実態の資料提出がないため不明ですが、もし過大請求があったとすればさらに1億5000万円の過払いが発生する可能性もある、と述べました。 いっぽう、旅行会社側とは契約内容をめぐる見解の隔たりがあるということで、県が事業者に任意での返還を求めた際に、「県の請求には応じられない」という返答をしたということです。
JTB「一方的な訴訟提起の発言に驚いている」
奈良県の記者会見に対し、大手旅行会社JTBはどのような見解なのでしょうか。 きょう、MBSの取材に対して、以下のように回答しました。 JTBは、「契約内容からだと想定しない返金要請で、一方的な訴訟の提起の発言には驚いている。」とし、「認識の相違。契約の合意が終わっていることも考えると、双方の主張に相違があるので、説明や協議をお願いしていた。ただそこに到達できなかった所もある。」としました。 そして、「きょうの発言には驚いている。協議や説明など引き続き誠実に対応していきたい。」と回答しています。
どこに「見解の相違」があるのか
県とJTBが交わした一部の契約書の条項には、「委託業務に要する経費として金を支払うものとする。ただし業務実施後、委託料に減額が生じたときは、減額した確定額を業務の委託料とする」といった項目などがあるといいます。県はこれらを根拠に、「総価契約ではない」とします。ただ、契約によって書面が複数あって、必ずしも同じ文言ではないということです。 これに対しJTB側は、当初の委託上限額をもって契約するもので、精算する趣旨ではない、ととらえていると奈良県は説明していて、契約の性質をめぐる見解の隔たりが大きいということです。奈良県は、司法の判断を仰ぐとして、「訴えの提起」の議案を6月議会に提出する方針だということです。