アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方 |#10 天空のビーチと甲斐駒ヶ岳の大展望地
アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方 |#10 天空のビーチと甲斐駒ヶ岳の大展望地
山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。 2023年3月から始まった、山梨百名山100座全て登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」。富士山を残して2023年を終了したこの取り組みは、現在登った各山の紹介ブログをエルクのホームページ上で随時アップしています。 そしてこちらのランドネWEB連載も、2024年富士山登山を終えるまでいままで登った山梨百名山の中から、みなさんにぜひ登ってほしい”推し山”を紹介させていただきます!
日向山~天空のビーチと甲斐駒ヶ岳の大展望地~
樹林帯を抜けると、痩せ尾根に狭いトラバース道が現れるなど、コースはいきなり冒険要素の強い登山道へ変わります。山梨百名山の中でも随一の人気を誇る日向山(ひなたやま)。ランドネ読者のみなさんの中にも、登ったことのある方が多いのではないでしょうか。 日向山は赤石山脈(南アルプス)の甲斐駒か岳から鋸岳を結ぶ尾根の途中から、北側に派生した尾根にある標高1、660mの山です。日向山に多くの登山者を集まる理由として真っ先に挙げられるのが、「天空のビーチ」とも謳われる、白い花崗岩が露出したザレ場でしょう。山頂の西側にある雁か原(がんがはら)と呼ばれる場所で、山頂付近とは思えない光景が眼の前に広がります。 そんな人気の日向山、いまさら紹介されてもという方も多いのではないでしょうか。 私が今回紹介したいのは、日向山からさらに縦走して登る「鞍掛山」に登るチャレンジルートです。鞍掛山は日向山山頂から甲斐駒か岳稜線を結ぶ、日向八丁尾根を登ります。 鞍掛山まで足を延ばせば丸一日の行程となりますが、ここまで頑張って登れば、甲斐駒か岳を眼前で見ることができる、展望のご褒美が待っています。
登山口から日向山山頂まで
日向山の登山口はマイカーの場合、駐車台数が多く週末でも安心して停めることができる尾白川渓谷駐車場と、標高が高く尾白川渓谷よりも1時間コースタイムを短縮できるが、駐車台数が限られる矢立石駐車場の二択です。 鞍掛山まで登る場合は、尾白川渓谷駐車場から鞍掛山往復のコースタイムは約10時間となるので、早朝に矢立石駐車場から登るのが無難でしょう。 矢立石駐車場から登山道に入れば、道標やマーキング、山頂までの距離の参考になる◯合目看板もあるので、初めて日向山に来る方も迷うことはないでしょう。 日向山の人気の要因として、登りやすい登山道も理由のひとつ。 日向山や甲斐駒か岳黒戸尾根ルートなど、北杜市の登山道整備については「北杜山守隊」の活動も注目です。甲斐駒か岳七丈小屋の花谷泰広さんを中心に、登山道に緑を戻すことを第一に考えて登山道整備活動を行なっています。 8合目まで来ると、左右に笹原を分ける緩やかな道となります。そして三角点への分岐が見えれば、雁か原まではあとわずか。山頂である三角点も分岐からすぐの距離ですが、こちらは見晴らしがありません。 分岐に戻って登山道を進めば、日向山の”あの”景色はすぐそこ。白砂のビーチ、日向山の雁か原(がんがはら)からは、甲斐駒か岳の眺望だけでなく八か岳や、おなじく山梨百名山の雨乞岳も見ることができます。 そして足もとに広がる真っ白な砂、花崗岩が風化してできた雁か原。晴れていれば白砂が反射してさらに輝き、それは突如山に現れたビーチのようです。