想定外の「野菜で被害」 大発生の果樹カメムシ 収量への影響懸念
果樹カメムシ類が全国的に多発する中、一部では野菜も被害を受ける事例が確認されている。 【写真】キュウリのつるに付いたカメムシ 愛媛県内でキュウリを10アールで育てる男性(29)は7月上旬、畑でチャバネアオカメムシが「茎にも葉にも、びっしり」付いているのを発見した。スタークル剤を散布したが、その3日後にも再び多数の発生を確認、再度、防除した。吸汁された果実は1割以上で、吸汁箇所はへこみ、実を縦半分に割ると「外側に空洞が複数あった」という。 周囲で栽培されているのは水稲とサトイモ、ネギ。河川敷や山は近いが、杉やヒノキは見当たらない。男性は「どこから来たのか分からない」と首をかしげる。 男性の地域を管轄する県の出先機関の職員は、「別の農家のキュウリ園地でも同じ被害があった。野菜で大量発生するとは想定外だった」と驚きを隠さない。また、「農家が飛来したカメムシの種類を把握していないケースもある」という。 香川県内でも、野菜で果樹カメムシ類が平年より多発しているとの声がある。JA香川県中讃営農センターの職員は「野菜で通常見かけるカメムシだけでなく果樹カメムシ類も多い。収量にも影響が出そうだ」とため息をつく。(溝口恵子)