米TIME誌「今年の人」テイラー・スウィフトは“妥当”なのか? ニューヨークZ世代の見解は?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「アメリカZ世代と2023年ヒットチャートを振り返り。テイラー・スウィフトは“今年の人”にふさわしい?」。「NY Future Lab」のメンバーが、2023年のヒットソングを振り返り、テイラー・スウィフトが“時の人”として注目されている理由を分析しました。
◆アメリカの2023年ヒットソングをチェック!
今回はアメリカの2023年のヒットチャートに注目。Spotifyが選ぶ、2023年アメリカでもっともストリーミングされたアーティスト(U.S. Most-Streamed Artists)ランキングは、以下のような結果になりました。 1.テイラー・スウィフト 2.ドレイク 3.モーガン・ウォーレン 4.ザ・ウィークエンド 5.バッド・バニー 6.21サヴェージ 7.シザ 8.ザック・ブライアン 9.カニエ・ウェスト 10.ペソ・プルマ アメリカのZ世代で構成されているラボのメンバーは、ランキングの結果にどのような感想を持ったのでしょうか? ミクア:3位の人知らない。 ノエ:モーガン・ウォーレンって誰? 僕はもう年だから知らないのかな。 ミクア:3位なのに聴いたこともない。 メアリー:カントリー・ミュージックの歌手みたいよ。 ミクア:私、カントリーは聴かない。 メアリー:私も。カントリーは嫌い。 ミクア:でも、なぜ3位に選ばれたのかな。それって誰かが聴いているからでしょう? メアリー:たぶん、私たちはニューヨークみたいな都会出身だから、カントリーが理解できないのかもね。それよりも、カニエ・ウェストがトップ10に入っていることに驚いているんだけど。 ミクア:そうだよね。彼はもうレジェンドだけど、2023年ってカニエは何かリリースしたの? 何もリリースしなかったと思うけど。 メアリー:わからないけど、カニエはヒトラーを敬愛していて、自分はナチスだと言ったでしょう? そのショックで「ああ、カニエってまだいたんだ」とか思って、彼の古い曲を聴き始めたとか。 シェリー:5位のバッド・バニーはどう? メアリー:理にかなっていると思う。彼は今年、まさに爆発的な人気でシーンに登場したからね。でも、ドレイクが2位ってちょっと変じゃない? ミクア:彼は今年たくさんリリースしたからでは? ノエ:ドレイクの2位は別に驚かないかな。彼は常に少なくともトップ5に入っているよね。 メアリー:それはわかるんだけど、バッド・バニーのほうがドレイクより上になると思っていたんだよね。それから、ザ・ウィークエンドがトップ5に入っているのも面白い。だって、今年彼が自分でプロデュースしたドラマの「アイドル」は、ちょっと痛い内容だったじゃない。 ミクア:でも、ザ・ウィークエンドは本当にビッグだよね。個人的にはそんなにすごいと思わなかったけど、周りはみんなザ・ウィークエンドを聴いていた。だけど、今年は彼の年という感じではなかったよね。 ミクア:1位のテイラー・スウィフト。彼女はいつも何かのトップになっているよね。 メアリー:うん。でも、今年こそテイラー・スウィフトの年じゃない? ヒットしていたとしても、興味がないアーティストには「誰?」ときっぱり意見を口にするZ世代。そんな彼らにとって、バッド・バニーとドレイクのトップ5入りは妥当と認めています。 カニエ・ウェストは1年前に「自分はナチだ。ヒトラーを敬愛している」と発言をし、アディダスやバレンシアガなどのスポンサーからキャンセルを受け、大勢のファンが離れる出来事がありました。 それ故に、ラボのメンバーはトップ10入りに驚きを示したわけです。Z世代評論家のシェリーは「アメリカではナチもヒトラーも白人至上主義、つまり人種差別の象徴です。Z世代は多人種で構成されていて、ダイバーシティにあふれていますから、絶対にNGということですね」と補足しました。