アキュラ/ホンダ、ル・マン参戦は遠い夢? IMSA戦うアルバカーキ「2025年はそうあってほしい。でも決めるのはビッグボス」
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスにアキュラ陣営のウェイン・テーラー・レーシング(WTR) with アンドレッティから参戦するフェリペ・アルバカーキは、アキュラ/ホンダと共にル・マン24時間レースへ挑戦したいという思いを改めて語った。 【動画】LMDhの初陣、デイトナ24時間をMSRアキュラが制す! チームとしては2連覇 そして、2025年以降のアキュラ/ホンダでの挑戦を念頭に、2024年もLMP2クラスからル・マンへの参戦を継続したいと明かした。 ホンダの北米ブランドであるアキュラは、世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスやIMSAのGTPクラスへ参戦が可能なLMDhマシンARX-06を開発しながらも、ル・マン24時間へ参戦していない唯一のメーカーだ。 そんな中で9月には、ARX-06の開発を主導した北米のホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HRD)がホンダのモータースポーツ部門であるホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)と統合され、“HRC US”と改称することとなった。 この動きから、早ければ2025年にもアキュラもしくはホンダブランドとしてル・マン24時間に挑戦する道が開けるかもしれないとも考えられた。 WTRアンドレッティは以前、ル・マン24時間へ挑戦する「準備が十分に整っている」とコメントし、ドライバーのアルバカーキも2025年にARX-06がル・マン24時間のグリッドに並ぶ姿が見たいと強調した。 しかしホンダがル・マン24時間参戦に動く様子はなく、アルバカーキも実現は難しいと考えている。 アルバカーキは、メイヤー・シャンク・レーシングの撤退によりIMSA唯一のアキュラ勢となったWTRアンドレッティが、2024年から2台目のARX-06を走らせるためにかなりのリソースを割いていることを指摘し、それがル・マン24時間進出の可能性を遅らせていると説明した。 2025年にアキュラがル・マン24時間へエントリーすることは現実的か? と訊かれた際、アルバカーキは次のように答えた。 「分からないよ。そういう質問はビッグボスたちにすることだ。僕が決めることじゃない」 「ひとりのレースファンとして、マシンに乗って走りたいのと同じくらい、今年から(ル・マン24時間に)行ってほしかった」 「2024年に向けて、チームは人を雇って2台体制に拡大中だ。同じレベルで2台体制にステップアップするのは大変なことだよ」 「来年ル・マンに行くということは、チームがヨーロッパで全く新しいインフラ設備を設け、さらに人を雇い入れるということだ。ちゃんと戦うには、やらなきゃいけないことが多すぎる。そして、彼らが来年はそれをやらないということは分かっている」 「2025年の参戦は理に適っているのだろうか? 僕はそうであってほしいし、そう願っている。それができると証明するため、僕らは懸命に働くつもりだ」 「だから僕は2024年のル・マン24時間に出ようと思っている。そうすれば、もっと良いドライバーになれるし、2025年に良いドライバーでいられる。つまるところ、僕は(ル・マン24時間の)総合優勝を争いたいし、それは何ら秘密じゃない」 「繰り返しになるけど、これは素晴らしいマシンを作り上げたビッグボス次第だし、(ル・マンで)見られたら素晴らしいと思う。このクルマがあそこで走るところをファンもきっと見たがっていると思う」 来季からWECではLMP2クラスが基本的に廃止され、LMHとLMDhで構成されるハイパーカークラスとGT3車両で争われるLMGT3クラスの2クラス制となる。ただ、ル・マン24時間だけは例外で、この1戦にのみ15台のLMP2クラスがエントリーすることとなる。 アルバカーキは2014年にLMP1クラスを戦っていたアウディから初出場して以来、毎年ル・マン24時間に参戦してきた。 LMP2で長年アルバカーキが走ってきたユナイテッド・オートスポーツは来季からIMSAに戦いの場を移し、彼らが2024年のル・マン出場権を得られるかはWEC選考委員会の承認次第だ。 そのため、2024年もアルバカーキがル・マン24時間への切符を掴めるどうかは不透明ではあるものの、彼はLMP2クラスでのル・マン2勝目に意欲を燃やしている。 「キャリアを通して毎年ル・マンを走りたいんだ」 アルバカーキはmotorsport.comにそう語った。 「僕はそうやって、過去10年にわたって成功を収めてきたし、来年もまた継続したい」 「もちろん、マシンの数が限られているというのは分かっている。通常であればWECに参戦することでル・マン24時間へのエントリー枠を確保できるけど、今は承認を得る必要がある」 「ユナイテッドとは素晴らしい関係があるし、僕らはなんとかしようと努力している。以前は2台を投入していたけど、今はそうならないと思う」 「もちろん、ル・マンが他のカテゴリーに敬意を払って、マシンを投入するチャンスを設ける必要があるのは明らかだ」 「ル・マン24時間に参戦したいドライバーはまだたくさんいるし、僕の経験が十分ならシートを確保できるはずだ。それが来年の目標でもあるんだ」 2024年はユナイテッド・オートスポーツと共にル・マン24時間へ出場することになるのか? と尋ねられたアルバカーキは次のように答えた。 「そうだと良いね。来年はル・マン24時間に出たいし、誰と出るかは分からないけど、僕は100%オープンだよ」 そしてアルバカーキは次のように続けた。 「ユナイテッドを視野に入れているけど、どうなるか様子を見てみたい。繰り返しになるけど、最優先事項はル・マンを走ることで、何が起こるかはそれから考えるよ」
Rachit Thukral