モルガン・スタンレーとゴールドマン、中国株に対し慎重姿勢に転じる
(ブルームバーグ): ウォール街の証券会社は、持続的なデフレ圧力と地政学的な緊張により、中国株式の見通しが不透明になっているとして、中国株に対してより慎重な姿勢に転じた。
モルガン・スタンレーのストラテジストは、中国株を地域内でのややアンダーウエートに引き下げた。一方、ゴールドマン・サックス・グループは、マクロ経済の背景が好ましくないことを反映して、MSCI中国指数の指数目標を引き下げた。
両社は9月の中国政府による景気刺激策発表を受けて中国株に強気の姿勢を示していたが、姿勢を急転換させた。中国政府によるさらなる支援への期待がしぼみ、ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利したことで中国への関税引き上げの懸念が高まったため、MSCI中国指数は最近のピークから約15%下落した。
「モラルハザードや、『福祉国家』への移行が時期尚早であることへの懸念を理由に、中国政府が2025年に消費や住宅を対象とした十分な財政刺激策を前倒しで実施する可能性は低いとみている」と、ローラ・ワン氏を含むモルガン・スタンレーのストラテジストは17日のリポートで分析した。「今後数カ月は企業収益とバリュエーションにさらに強い逆風が吹くだろう」と予想した。
モルガン・スタンレーのMSCI中国指数の25年末目標は63で、15日終値63.93よりやや低い。同社は10月に、政策見通しの改善を理由に中国に対するアンダーウエートポジションを縮小していた。
一方、ゴールドマン・サックスはMSCI中国指数の目標を84から75に引き下げた。同社は中国株を依然として「オーバーウエート」としているが、米国が中国に課す可能性のある関税が収益の伸びを鈍化させる恐れがあると指摘した。10月には中国株の投資判断を引き上げていた。
原題:Morgan Stanley, Goldman Trim China Stock Views on Slower Growth(抜粋)
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John Cheng