「金満球団を有利にするヌケ穴」「パンドラの箱が開けられた」全米を巻き込んだ大谷翔平の契約金97%“後払い”への賛否と誤解
「多くのファンが、今回の大谷の後払いを贅沢税を回避するためだと考えているようだが、それは間違いだ。年俸は4600万ドル(約66億7000万円)で、マックス・シャーザーの4333万ドル(約63億円)、アーロン・ジャッジの4000万ドル(約58億円)を上回っている。年俸7000万ドル(約101億円)の数字を人々が最初に目にして、何千ものタイトルの記事を見たため、ファンの間に根付いてしまっているが、実際は違うのだ」 球団の補強資金に余裕は出るが、元々、年俸7000万ドル‘(約101億円)という数字が誤解であり、それほど大きな贅沢税の軽減を受けられるわけではないという説明だ。 またMLB機構は97%もの後払いを認めるべきではないのでは?との声もあるが、ESPNのジェフ・パッサン記者は、MLB機構と選手会の労使協定に「繰延報酬の額、またはその割合に制限はない」との一文があり、まったく問題がないことを明らかにした。 ウォールストリートジャーナル紙によると、以前の労使交渉でMLB機構は、契約金の後払いに制限をつけることを選手会側に提案したが、選手会は、後払いに制限をつけることを拒否したという。同紙は「後払いは、選手に柔軟性を与え、契約の価値を4億6000万ドルではなく7億ドルにすることを可能にするからだ」と説明している。 2026年に現在の労使協定が見直されるが、トレード・ルーマーズは、「ご存じのように、お金の価値は将来下がっていくから、契約した金額の97.1%を受け取るのを引退の年齢まで待つというようなことをこれまでの選手は強く求めてこなかった。次の労使協定の交渉で、後払いの金額が議題として出てくるだろう。もしかすれば廃止されることになるかもしれないが、1人の選手がそれをすることが問題につながったり、何百億ドルという金額につり上がったりすることはない。彼らはもっと他の重要な議題を見つけるだろう」と、今後も後払いに制限がつけられることはないだろうという見通しを記した。 同サイトは、「大谷がブルージェイズへ向かうことを示唆する金曜日の錯綜した報道と、前例のない後払いの契約構造が相まって、一部のファンは大谷を悪者扱いしているようだ。それは残念なことだと思う。彼はフィールド外でもクリーンなプレーを披露し、世代を超えてスリリングな選手であり続けている」と、批判の声に反論した。 また前出のフォーブス誌も、「パンドラの箱は開けられてしまった。これは容易に閉じることができないものだろう。ただ大谷は昨日まで広く愛される野球界の象徴だった。これから先、彼は良くも悪くもすべてを変えた男ということになる」との意見で記事をまとめている。 日本時間の15日の入団会見で大谷が97%もの後払いを申し出た理由についてどう説明するのか。全米が注目している。
【関連記事】
- 大谷翔平がド軍に申し出た“年俸後払い”の仰天詳細が判明…なんと年俸101億円のうち受け取るのは約3%のたった3億円…残りは2034年から10年間に無利子で支払い
- 衝撃事実発覚!「ギリギリまでドジャースは決断を知らなかった」大谷翔平の10年1015億円ド軍入り決定の裏で一体何が起きていたのか?
- ドジャースは大谷翔平に支払う1015億円の元をとれるのか?
- ドジャースと契約合意の大谷翔平が史上最高額10年7億ドル(1014億円)の多くを後払いにする異例の契約を結んだ理由とは?
- 大谷翔平がプライベートジェットでブルージェイズ本拠地のトロントへ移動中?!「いやフライトに乗っていない」「時間はかかる」…米メディアで分刻みで情報が錯綜