Mei Semonesが語るジャズ、ボサノヴァ、J-POPの融合「これこそ私が望んでいた音楽」
音楽ルーツとこの先の未来
ジョン・コルトレーンからスマッシング・パンプキンズなど、あらゆる音楽に影響を受けた独特なバックグラウンドと感性のルーツは、ミシガン州アナーバーで過ごした幼少期にまでさかのぼることができる。最初にハマったのはギターで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で主人公のマーティ・マクフライが「ジョニー・B・グッド」を演奏するシーンを見たのがきっかけだった。その後は「天国への階段」、レッド・ホット・チリ・ペッパーズと10代初期にありがちな道をたどり、最終的に中高生でジャズの沼にどっぷりハマった。 Semonesの歌詞は英語と日本語の両方で書かれている。たまたまそうなったわけではなく、奇をてらったわけでもなく、Semonesにとってはアーティストとして自分らしさを表現する上で重要な要素だ。若かりしころの作曲について、「日本語と英語を混ぜて作曲するまでは、曲を書いてる実感がわかなかった」と本人は語っている。「大学1年目まで日本語で作曲したことはなかった。そしたら、『これこそ私が望んでいた音楽だ』って思ったの」。 多くの場合、観客は英語圏の人々が中心であることは本人も十分理解し、表現上のもうひとつのツールとして英語と日本語を自在に切り替えている。そうやって歌詞から歌詞へ言葉を切り替えては観客を驚かせ、なじみのある言葉から異言語に切り替えては際立たせたい音楽性やストーリー性を強調するのだ。ただし、先月日本で行われた初のソロライブの際は例外だった。ちなみにこのときのライブは満員御礼で、Semonesの母親も友人15人を連れて見に来ていた(編注:今年1月、chelmico・鈴木真海子をゲストに迎えてBlue Note Placenに出演)。 今後については、ある晩はBowery Ballroomで、次の晩はBlue Noteで、といった具合に、ジャズとロックの両方面で活躍したいと意気込んでいる。すでにデビューアルバムの制作も進行中で、スタンダードジャズ、ワルツ、インディーロックなど、この数年間にSemonesが融合してきたありとあらゆる要素が感じられる「なんでもあり」な作品になるそうだ。 全体的に、前より創作活動に時間がさけるようになったのがとくにありがたいという(今では幼稚園の仕事が副業だ)。新たな拠点ニューヨークで演奏をするたび、「こんなことができるなんて、本当にすごい」という思いを噛みしめている。『かぶとむし』は3枚目のEPだが、Semonesはまだ序の口だと考えている。本人いわく、「新しい自分のスタート地点に立っている気分なんだ」。 --- BiKN Shibuya 2024 日程:2024年11月3日(日・祝) 時間:OPEN 11:00 / START:12:00 (予定) 会場:東京 渋谷 O-EAST / O-WEST / O-nest / O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / 7th floor ※Mei Semonesは14:25~duo MUSIC EXCHANGEに出演
Jonathan Bernstein