食品ロス削減へLINE活用 事業者と消費者の売買仲介 肥後銀がアプリで実証実験 賞味期限近い品など割安に
肥後銀行(熊本市)は、地場企業が抱えている賞味期限が近い商品や販売機会を失った商品を、アプリを通じて割安で販売する実証実験を5月から始める。通信アプリLINEを活用して事業者と消費者をつなぎ、売買を仲介する。 【画像】賞味期限が近づいている商品の割安販売を知らせるLINE画面のイメージ図(肥後銀行提供) 事業者が売れ残り品や規格外品、空いた予約枠などをアプリ上に掲載すると、登録した利用者に通知が届く。購入希望者はアプリ上で決済した後、店舗や指定された場所で商品を受け取る仕組みだ。実証実験は6月末まで実施し、熊本市内の食品製造業や飲食店を中心に約20社が参加する予定という。今回は企業側の負担金は発生しない。 取り扱う商品は、売れ残る可能性があるパンやケーキ、総菜のほか、飲食店で急に発生したキャンセルによる余剰食品などを想定。食品以外にも、スポーツ施設やカラオケ施設など、稼働していない設備を割安で使用できるサービスなどもアプリを通じて提供したい考えだ。 ④月23日の発表会見で、笠原慶久頭取は「多くの取引先が売れ残り品などの余剰を抱えているが、企業のみでは解決が難しい課題だと行内で認識していた」と説明。「余剰在庫を地域で消費する仕組みを構築することで、利用者の割安購入や事業者の収益向上に加え、廃棄物削減など社会課題の解決も目指す」と話した。 (松本紗菜子)
西日本新聞