【西武】岡田雅利捕手が引退会見「ここまで野球ができたのは奇跡。ファンの皆さんのおかげです」
今季限りでの引退を表明している西武・岡田雅利捕手が14日、ベルーナドーム内で記者会見に臨んだ。 背番号2のホーム用ユニホームで会見場に姿を見せた岡田はやや硬い面持ちで「11年という野球生活で球団には感謝しかありません。膝のけがで活躍できなかったのが心残りではありますが、すっきりした気持ちも」と心境を口にした。 近年は膝痛に悩まされ、昨年3月に左膝関節にかかる荷重位置を修正するため、球界でも例のなかった「大腿骨・脛骨骨切り術(だいたいこつ・けいこつきりじゅつ」という手術を受けた。リハビリを経て今季はファームで実戦に復帰。6月30日の35歳の誕生日をメドに1軍復帰を目指していたがかなわず引退を決断。家族に引退を報告したところ「子供が泣いて…。家族に支えられました」と神妙な表情をみせた。つらかったリハビリを支えてくれたのはファンの声援だという。「ここまで野球ができたのは奇跡でした。ファンの方の声援がうれしかったし、SNSの『もう一度、復帰してほしい』というコメントが原動力になりました。ファンの皆さんのおかげです」と言葉をつむいだ。 人望を表すかのように球場には大阪桐蔭で同級生だった中日・中田、後輩のオリックス・森、大阪ガスの後輩でもある巨人・岸田、西武時代にプレーした巨人・内海投手コーチら多くの球界関係者から花が届いた。「中田に連絡したら、いつもはふざけているのに真剣に聞いてくれました。いろいろな方に連絡をもらって本当に感謝しています」と頭を下げた。 入団から11年。炭谷、森の存在もあって正捕手の座はつかめなかったが、明るい性格ながら時には厳しく若手に接してアドバイスを送るなどチームには欠かせない存在だった。古賀、柘植をはじめとする後輩の捕手には「栗山さん、中村さん、炭谷さんを目指すのではなく、追い越す存在になってほしい」と励ましの言葉を送った。 今後の進路は未定も、2軍はイースタン・リーグで首位を走り、優勝の可能性がある。「伝えるものを伝えて優勝してくれたら」と最後まで後輩たちに寄り添っていくつもりだ。 ◆岡田 雅利(おかだ・まさとし)1989年6月30日、奈良市生まれ。35歳。大阪桐蔭高では2年、3年のセンバツに出場。3年時には中田翔(現中日)とバッテリーを組んで8強入りした。大阪ガスを経て13年にドラフト6位で西武入り。173センチ、80キロ。右投右打。年俸1000万円。背番号2。ここまでの通算成績は325試合出場、打率2割1分7厘、6本塁打、40打点。
報知新聞社