東出昌大のタバコ論と“意識低い系”でいたい理由「いい猟師になるためには禁煙したほうがいい。でも…」
「こんな時代だからこそ、もっと話したほうがいい」 人生相談「赤信号を渡ってしまう夜に」では、俳優・東出昌大が「すねに傷のある僕にしか話せないこと」を募集し、対話していく。 【画像】東出が溺愛する“シーちゃん” 第5回は、「肩身の狭い喫煙者」と「育ての親との関係に悩む女性」の声に、応答する。 自身も喫煙者である東出は、社会の息苦しさを語る一方で、自分の抱える矛盾も吐露。また、親子関係への悩みに対しては、「親子も、個と個である」という考え方を提案する。
シカの命を無駄にしないための施策
──最近、山での生活はいかがですか? 東出 ここのところ、シカ肉の解体処理施設を本格的に始動する準備をしています。 ──ジビエとして販売するんですか? 東出 いや、人間の食用施設となると設備投資がかなりかかるので、それはやめました。ペット用のジャーキーを作るための施設です。こっちでは、行政からシカの殺処分のノルマが課せられるんですよ。そこで仕留めたシカは、食べずに山に埋めているんです。 ──公開中のドキュメンタリー映画『WILL』でも言及されていた問題ですね。 東出 そうです。野生のシカの命を奪って、それを糧にすることもなく捨てている現状にはずっと疑問を感じていました。「ただ捨てられる命」はなるべく減らすためにジャーキーを作る事業を立ち上げることにしたんです。 これから前任の方に操業方法を教えていただき、6月ごろから販売開始できるように進めています。 ──俳優業と猟師活動に加えて、解体処理施設の運営もやると大変そうですね。 東出 まぁ実際に稼働したら、若い子たちを中心にやってもらう予定で、僕はサポートに徹するつもりです。立ち上げにあたっては、名の知れてる僕が船頭になったほうが、話が進みやすかったんですよね。 ──山に移住してまだ間もないのに、事業まで立ち上げるとは驚きです。 東出 無駄に捨てられていく命を減らしたいのは、山の皆の総意であって、僕ひとりでやってるわけではないので。この施設によって、自主自立のコミュニティ作りが進めばいいなと思っています。 シカを獲ってくる後期高齢者のおっちゃんたちや、ここに移り住んできた若い子たちに、利益が再分配されたら、Win-Winですよね。僕の世代って、生まれてこの方ずっと不景気と言われ続けてたので、上の世代にはもう期待してないんです。だからせっかくの資源を換金・蓄財をし、力を貯めて、 困った人がいたらすぐに助けられるようなコミュニティを自分たちで作っていけたらと思ってます。 では、相談に移りましょうか。