「人生に口を出してくる人」にはどう対処すればいいのか 精神科医・藤野智哉氏は「人間は6割が水だと思えばいい」
いくら「他人のことなど気にしない」と思っていても、周囲からの一言で傷ついてしまうことは誰にでもある。さらに、自分は遠ざけようとしても、「他人の人生に口を出したい人」というのは一定数いるものだ。そんな人に関わって疲弊しそうなとき、私たちはどうすればいいのか。精神科医の藤野智哉さんは「人間は6割が水だと思えばいい」と予想外のアドバイスをする。その真意とは? <藤野智哉氏『「そのままの自分」で生きてみる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から一部を抜粋、再編集しています> 【チェックリスト】実はあなたも…こんな悩みがある人は「繊細さん」? * * * 「他人を気にしない」と気をつけていても、他人のほうから、ごちゃごちゃ言ってくることってありますよね。 「人の人生に口出ししたい人」って意外に多いものです。 たとえば、「あとは結婚だけだね」「そろそろ子どもは?」などと、人の人生をいちいち決めつけて言ってくる人がいます。 「俺にかまわず行け! お前は自分の人生に集中しろ!」 って言ってあげましょう。 もちろん、心の中でOKです。 人の人生に口を出す人はたいがい暇です。自分の人生が充実している人は、人の人生につべこべ言ってきたりしません。 だから「暇なんだなー」くらいに思っておけばいいものです。 他人はあなたのために生きていないし、あなたも他人のために生きる必要はない。このことを腹落ちすると、だいぶ生きやすくなりますよ。
■他人の期待は「他人の持ち物」 ただ、そうはいっても、気にせざるをえない場合もありますよね。 たとえば「結婚して2年たつし、そろそろ子どもは?」と言ってくるのがお姑さんだとしたら、「無神経な言葉だな」と思いつつも気にしてしまう人も多いでしょう。 こういうときは、こう考えてみてはどうでしょうか。 人間って6割水分なんで、なんかワーワー言われても「この人なんで水に向かってこんなに必死に言ってるんだろう」って。 そう思うとハートつよつよモードになれます。 人間は6割が水だと思うと、ちょっと気持ちがラクになってきませんか? そもそも「そろそろ子ども(孫)は?」はお姑さんの勝手な「期待」です。 他人の期待は他人の持ち物。自分が背負う必要はありません。 ここの「他人の期待」の線引きが曖昧(あいまい)だと苦しくなったりします。お姑さんが期待しているからといって、自分がそれに応えなくたって全然いいんです。 とはいえ、ついつい「他人の期待に応えなきゃ」って思ってしまいがちですよね。 優しい人などは、「応えられない自分が悪い」と自分を責めてしまったりするかもしれません。 他人からの期待って本当にやっかいなんです。 もしも、他人の期待に「応えなきゃ」と思ってしまったら、ちょっと俯瞰して「相手の期待」と「自分のしたいこと」を線引きするといいかもしれません。 たとえば、ママ友に「今度、子どもと家に遊びに行っていい?」と言われたら、「自分は本当に遊びに来てほしいかな?」と立ち止まって考えてみます。 「遊びたいけど、私の家はイヤだな」という気持ちが浮かんできたら、無理に応えなくてもいいのです。 「家に遊びに行きたい」はあくまでも相手の期待です。自分で背負う必要も、断ることに罪悪感をもつ必要もありません。 「遊びたいけど、あなたの家ではダメ?」などと提案したっていいわけです。