昨季はUECL制覇、今季はELでレヴァークーゼン相手に大奮闘 ウェストハムをファイター集団へ変えたモイーズに称賛を
中堅クラブを変える手腕は見事
先週行われたヨーロッパリーグ準々決勝2ndレグにて、ウェストハムはブンデスリーガを制した無敗のレヴァークーゼン相手に堂々たる戦いを見せた。 アウェイでの1stレグを0-2で落としていたウェストハムは、ホームで迎えた2ndレグで気持ちを切らすことなく戦い続け、レヴァークーゼンを大いに苦しめた。そのファイター集団を完成させたのは、指揮官デイビッド・モイーズである。 ハードに戦うスタイルは実にモイーズらしいもので、ウェストハムはレヴァークーゼン相手にどんどん前線へボールを放り込んだ。前線にはジャロッド・ボーウェン、マイケル・アントニオ、モハメド・クドゥスの3枚が構えており、いずれもボールを強引に収めるフィジカルを備えている。縦への推進力も抜群で、そこにテクニシャンのルーカス・パケタが絡んでいくウェストハムの攻撃はかなり厄介だ。 最終的には1-1のドローに終わり、ウェストハムはベスト8で姿を消した。しかし、レヴァークーゼンにとっては今季1、2を争うほど難しいゲームだったのではないか。英『The Guardian』はウェストハムを戦える集団へ成長させたモイーズの手腕を改めて絶賛する。 「モイーズが2019年12月にウェストハムの仕事に復帰したとき、チームが降格争いにあったことを誰も忘れてはならない。誰がもっと上手にできたというのか?」 ウェストハムは昨季カンファレンスリーグを制しており、同メディアはモイーズの銅像を建ててもいいかもしれないと大胆な提案もしている。カンファレンスリーグの注目度はまだまだ低いかもしれないが、ウェストハムにとっては大きなタイトルだ。モイーズとチームの契約は今季までとなっているが、モイーズ政権はウェストハムにとって特別なものだったに違いない。 モイーズは過去にマンチェスター・ユナイテッドで結果を残せず、トップクラブの指揮は向いてないと指摘されたこともある。しかしエヴァートン時代を含め、中堅クラブを成長させる手腕は抜群だ。今のウェストハムもモイーズらしいチームに仕上がっていて、その手腕は改めて評価されるべきだろう。
構成/ザ・ワールド編集部