<文楽>名古屋で玉男襲名記念の写真展 CG駆使映像も
<文楽>名古屋で玉男襲名記念の写真展 CG駆使映像も(映像は大阪でのもの)
愛知の中日劇場(名古屋市中区)で30、31両日、人形浄瑠璃・二代目吉田玉男の襲名披露もある「中日文楽」が行われる。襲名を記念して「中日ギャラリー」で26日、写真展「二代目吉田玉男『転女成男』」が始まり、最新のCG技術を駆使して作った映像作品も公開されている。入場無料で期間は31日まで。
女から男へ(玉女から玉男へ)をテーマに
この写真展は、「人形浄瑠璃」をテーマに、“いま”文楽に人生を懸ける人の姿を撮り続けているフォトグラファー渡邉肇が女から男へ(玉女から玉男へ)をテーマに行われるという。 「中日文楽」で披露する「仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助をはじめ、大阪・東京で襲名披露した「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」の熊谷次郎直実、師匠の初代玉男の当たり役でもある「菅原伝授手習鑑」の菅丞相、松王丸、「ひらかな盛衰記」の樋口次郎兼光などの時代物や、世話物の二枚目「心中天網島」の紙屋治兵衛、「冥途の飛脚」の忠兵衞などの舞台写真がある。 また、その玉男を始めとする人形遣いや大夫、三味線弾きの普段観ることのできない舞台裏の情景や表情(楽屋内や稽古など)、独自の視点で迫った迫力のある舞台写真など約40点を展示。
迫力あふれる仕上がりイメージ映像作品も上映
会場では同時に、渡邉と映像監督の堀部公嗣がタッグを組み、最新のCG技術を駆使して制作した「転女成男」のイメージ映像作品を上映する。 俯瞰から撮りおろすなど迫力あふれる仕上がりで、篠笛のこと、和太鼓の響道宴の演奏が魅力を添える。撮影は、昨年12月1日、襲名披露記者会見を行った日に行われ、二代目は朝の4時くらいまで10時間にもわたって人形を遣い続けたものだという。 二代目玉男は「独自の感性、私たちには想像もつかなかったような新たな視点で切り取られた舞台写真や楽屋風景、立役人形の豪快さ、勇壮な動きを伝えるCG映像は文楽の魅力を再発見させてくれます」という。 期間は31日までで入場は無料。時間は午前10時から午後6時まで(最終日は午後4時まで)となっている。 ■二代目吉田玉男(よしだたまお)1953年10月6日大阪府出身。1968年初代吉田玉男に入門、吉田玉女と名のる。1969年大阪朝日座で初舞台。初代玉男の下、立役の遣い手として修業を積み、師匠の当たり役を継承。2012年に伝統文化ポーラ賞優秀賞、2014年に芸術院賞を受賞。2015年、二代目吉田玉男を襲名。