『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.39【コミックス派はネタバレ要注意!】
爪 で、467話からキン肉マンの試合が中心になりましたよね。キン肉マン、自分の目の前で、超人製造機から生まれたザ・ガストマンと闘えと、エクサベーターから命じられる。あれ、めちゃめちゃ意外な展開でしたよね、目の前で超人が生まれるというのも、それと闘えと言われるのも。 燃 いやあ、こんな発想なかったよね? こんな流れも前例がないし、これまでの『キン肉マン』で。 爪 物語のめちゃめちゃ大事なところをキン肉マンに託しましたよね。だって、ここでキン肉マンが勝って超人製造機をつぶさないと、今後、新しい超人が、どんどん生まれてしまうわけでしょ? 燃 そうだよね。でも、ゆでたまご先生的には、キン肉マンにぶつける敵が、いちばん遊べる、っていうのがあるんじゃないかな。キン肉マンだったらどんな敵をぶつけても大丈夫だから、今回みたいな無茶な設定も可能だという。ピークア・ブーもそうだったじゃない? ギャグあり、シリアスありのあのキャラクターを成り立たせるのって、相当難しいと思うから。 爪 確かに、相手がキン肉マンじゃないと無理だったでしょうね。 燃 あと、キン肉マン個人のバックボーンやストーリーは、これまでさんざん掘り下げられてきて、読者はみんな共有しているから、改めて描く必要はないじゃない? だから敵のほうにいろんなストーリーを盛り込める、っていうのもあるんじゃないかな。 時間超人とはなんなのかとか、時間超人はこんなことができます、という説明も、キン肉マンの試合だとスゴくやりやすそう。だから、時間超人の特徴やおもしろさがよくわかる試合が観れそうで、楽しみなんだよね。 爪 なるほど、なるほど。464話で、ネメシスを倒したファナティックが、「KIN」から「完」に戻ったネメシスの額の字を見ながら言うじゃないですか。「やはり警戒すべきはそこですか......完璧超人始祖シルバーマンの血脈を伝える一族に秘められし大いなる力...」。その次だから、その力をキン肉マンが見せてくれる試合になるんでしょうね。時間超人が追い込まれるさまが観れるのかもしれない。 燃 うん。この試合はキン肉マンの試合だから、敵の時間超人を掘り下げて描くことができる試合。と考えると、いっぺんに4試合同時進行してるけど、それぞれの意味合いやテーマは1試合ずつ全部違う、ゆでたまご先生が描きたいものが表現したいものが違う、ということなんだろうな、と思った。 爪 でもやっぱり、ここに来て、新しい時間超人が、眼の前でガシャポンみたいにポンと生まれるのって、ちょっと絶望しますよね。自分が闘う側だったら。しかもエクサベーター、ザ・ガストマンのことを「最新鋭の時間超人」って紹介しているから、これまでの時間超人が持っていない何かを持っていて、いちばん強いのかもしれないし。 燃 ザ・ガストマンも、もちろん応募超人だしね。 爪 カッコいい超人ですよね。比べるとエクサベーターのほうが地味に見えるくらい。