定年後は「パート」より「正社員」のほうが良いですか? 年金があればパートでも問題ないのでしょうか…?
定年後は年金だけでは生活できないのでは、と老後の生活について不安に感じている人は多いと思います。そこで、パートやアルバイトをして少しでも収入を増やしたいと考えている人もいるでしょう。しかし、パートやアルバイトといった非正規雇用者は正規雇用者と比べて収入が低いといわれています。実際はどれほどの収入差があるのでしょうか? 本記事では、定年後の働き方について、非正規雇用者と正規雇用者でどのくらいの年収差があるのか解説していきます。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
年金だけで生活は可能?
2023年度の標準的な年金額は夫婦で月に「22万4482円」となっています(配偶者が国民年金のみの場合)。そして、2022年の65歳以上の夫婦2人のみ無職世帯の消費支出は月に23万6696円です。このことから、年金だけでは生活が厳しいことがわかります。 また、内閣府の2020年度調査によると60歳から64歳のフルタイムの被雇用者は27.2%、パートタイム・臨時の被雇用者は23.1%です。65歳から69歳ではフルタイムの被雇用者は9.3%、パートタイム・臨時の被雇用者は23.8%となっています。 60歳以降も働く人は64歳までで約半数、65歳以降も約3割いるようです。65歳からは年金の受給も始まるので、それまでは働く人が多いと考えられます。
定年後に非正社員として働いた場合の年収は約300万円
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」では、年齢別・雇用形態別の賃金について公表しています。定年後に非正社員として働いた場合の収入は60歳から64歳の平均賃金は月に25万4300円です。年収は単純計算で305万1600円になります。 また、65歳から69歳の平均賃金は月に22万900円、年収は265万800円です。
正社員との場合と比較すると約90万円の差に!
60歳から64歳の正社員・正職員の平均賃金は月に32万9800円です。年収は単純計算で395万7600円になります。65歳から69歳の平均賃金は月に29万6600円、年収は355万9200円です。非正社員の場合と比較すると60歳から64歳、65歳から69歳ともに年収で約90万円も差が生じることがわかります。 もっとも、65歳以降については年金の受給も始まるので非正社員の収入を加えると、65歳以上の夫婦2人のみ世帯の支出である月23万6696円を大きく上回ります。非正社員の収入は正社員と比べると低くなりますが、生活に合わせて仕事ができる点がメリットです。 正社員として働くことで収入を増やすことも選択肢の1つですが、自身の生活に合った働き方ができる非正社員として働くことも検討しましょう。