悪質ホストクラブへの罰金、現在の200万円から「億単位」への引き上げ検討
悪質なホストクラブの問題を受け、警察庁の有識者検討会は19日、客への不当な借金取り立ての規制や店側の罰金額の引き上げなどを盛り込んだ報告書をまとめた。警察庁は禁止行為などの具体的検討を進め、来年の通常国会に風俗営業法の改正案を提出する方針だ。 【写真】歌舞伎町にひしめくホストクラブを宣伝する大型看板
ホストクラブを巡る相談は昨年、全国の警察に2675件寄せられた。社会経験が未熟な女性らにつけ込んだ手口は悪質で、7月から検討が行われてきた。
報告書では、風営法の改正も含めた効果的な対策が望まれると指摘。恋愛感情に乗じて依存させたり、正常な判断ができない状態にしたりして高額な飲食をさせる行為の規制を求めた。
借金を背負わせた後、「風俗店で働いてくれないと結婚できない」「実家に行く」などと言って取り立てる実態があるため、客を威迫したり、困惑させたりして売春を求める行為も禁じるよう提言した。
ホストらは女性客を風俗店にあっせんして紹介料を得る「スカウトバック」で利益を上げており、風俗店側が紹介料を支払う行為を規制する見通しも示した。
ホストクラブ側への規制強化も求めた。現行の風営法では、運営法人が処罰されても罰金は最高で200万円にとどまる。検討会は罰則に実効力を持たせるよう求めており、警察庁は金額を億単位に大幅に引き上げることを目指している。
警察庁は、報告書の提言を風営法の順守事項や禁止行為に加える検討を進め、改正案をまとめる。