荒牧慶彦・梅津瑞樹W主演 『三國志演技~孫呉』開幕
一幕・二幕でキャラクターの様々な側面が楽しめる
一幕は勇猛な武将として知られる孫堅(松本利夫)が戦で敗れ、息子の孫策(梅津瑞樹)が後を継いでからのストーリーが描かれる。会見でもキャスト陣が語っていた通り、明治座の機構を活かした大掛かりなセット、華やかな殺陣が次々に繰り広げられた。力強さを感じさせる戦い方の孫堅や韓当(郷本直也)、流麗に刀を振るう太史慈(早乙女友貴)、作中で成長が見える周瑜(荒牧慶彦)と孫策など、殺陣にもそれぞれの個性が出ており、殺陣が続いても新鮮味がある。 また、派手なアクションだけでなく、主従や友人間のドラマも大きな見どころ。 幼い頃から親友として共に育ってきた周瑜と孫策の成長と信頼関係、孫堅に惚れ込んで仕えてきた程普(富田翔)、黄蓋(高木トモユキ)、韓当の思い、父や兄に憧れる孫権といった孫軍内での様々なドラマに加え、民の幸せを願う劉表(冨田昌則)を理解できずにいた黄祖(玉城裕規)の変化など、敵対する陣営の物語も魅力的だ。 二部は「特別御前試合」と銘打ち、様々な組み合わせの殺陣が披露された。 シリアスな雰囲気から一転、孫軍メンバーが客席を盛り上げ、来場者特典として配られた戦張扇の使い方をレクチャーする。そこからは、一幕で感じた「このふたりが戦ったらどうなるんだろう」、「このメンツが一緒に戦っているところも見たかった」という思いに応えるように、キャラクターが入れ替わり立ち替わり殺陣を披露してくれた。 キャラクターの深掘りがされたり、新たな一面が見えたりする熱いシーンも多く、それぞれの陣営・キャラクターに対する思い入れが深くなること請け合いだ。 取材・文・撮影:吉田沙奈 <公演情報> 剣劇『三國志演技~孫呉』 公演期間:2024年 4月5日(金)~4月16日(火) 会場:明治座