大谷翔平が古巣に22号、盟友たちと全力勝負「いいスローイングでした」盗塁死に相手を称賛
<ドジャース2-3エンゼルス>◇21日(日本時間22日)◇ドジャースタジアム 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)21日(日本時間22日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、2戦連発となる22号2ランを放った。古巣エンゼルス戦に「1番DH」で出場し、5回の第3打席で完璧な1発を中越えに運んだ。古巣の盟友たちとの“再会”は、レギュラーシーズンでは初めて。これで本塁打は28球団目となり、メジャー30球団制覇へ、残り2球団となった。 【動画】大谷翔平、ゆっくり確信歩き! エグすぎる一撃に観客総立ち、ベンチも苦笑い ◇ ◇ ◇ 移籍後、最高の状態で大谷は古巣とぶつかった。5回、左腕ムーアの直球を打ち砕いた。絶好調で、甘い球は打ち損じない。完璧な一振りで、中堅席の中段まで大きな放物線を描いた。「打った瞬間入るとは思ったので、先制点をしっかりいい形で取れた」。エ軍での6年間を通じて獲得したパワーやフィジカルの強さ、技術、相手バッテリーとの駆け引き。ド軍移籍後も進化を続ける打者大谷の力を、いかんなく発揮した。 互いに、手の内は分かっている。元同僚としのぎを削る戦いは、何度もあった。先発の左腕サンドバルには内角高めをえぐられながら、外角低めのスライダーには手を出さなかった。「僕の打席は結構、力んでる印象があった」。2打席連続、四球で出塁。同点の8回1死、内野安打で出塁後、2死から二盗を試みた。好スタートを切ったが、間一髪でアウト。エ軍の正捕手オハピーのベスト送球と捕球した遊撃手ネトの素早いタッチ、完璧なコンビネーションに阻まれた。 特別な感情が見え隠れした。全力勝負の代償か、前腕の痛みで緊急降板したサンドバルを心配そうに見つめた大谷。投手交代の合間には「オハピーに呼ばれたので行きました」とマウンドに歩み寄った。オハピーによれば、大谷はサンドバルの状態を案じていたという。古巣とはいえ、試合中に敵軍の選手とマウンド付近で会話を交わすのは、極めて珍しい光景だ。「最終的に少し残念な結果になってしまったので。あまりひどくないけがで、早く戻って来ることを願っています」と、盟友を思いやった。 エ軍時代の晩年は若手と野球談議を交わすことも多かった。技術面だけでなく、プレーの準備などメンタル面でも大谷が残したレガシーは受け継がれている。盗塁死の場面を振り返り「いいスローイングでしたし、ネトのいいタッチプレーもあった。個人的には正しいプロセスを踏んで盗塁にいってるところではあるので、セーフになるのが一番ですけど、あのプレーを完成させた向こうの選手2人も素晴らしかった」と、相手を称賛。惜敗で悔しさもあっただろう。一方で、元同僚と全力勝負ができる-。その醍醐味(だいごみ)を、身に染みて感じていたに違いない。 ▼大谷が初対戦のエンゼルス戦で初アーチ。これで本塁打を打った球団は28球団目となった。全30球団制覇へ残る2球団のフィリーズとは6試合、カージナルスとは3試合、7月以降に対戦があり、今季中に達成する可能性がある。 ▼大谷は16日ロイヤルズ戦から6試合連続打点。日本選手の6試合連続打点は最長タイ。松井秀喜(ヤンキース=過去3度)に並び、07年以来17年ぶりとなった。