岸田文雄前首相 “自虐演説”でお気楽応援…自ら蹴落とした高市早苗氏を笑顔で呼び止める“無神経ぶり”も健在
「みなさん、つい2週間前までは内閣総理大臣だった岸田文雄です」 16日、旧岸田派の候補者の選挙区へ応援に入った岸田文雄前首相。ほぼ全ての演説の枕がこれだったという。 【写真】サインをねだられご満悦の岸田前首相 「退陣してからの岸田さんはなぜか、いつもハイテンションです。国会では、岸田さんは菅義偉副総裁と麻生太郎党最高顧問の3人掛けの席に座っていますが、ほぼ菅副総裁の方に体を傾けて話し続けています。麻生最高顧問が手を叩いて、笑顔で応じることもありますよ。応援演説でも、とにかく愛想を振りまいて、とくに聴衆のひとりからサインをお願いされた際は、まさに喜色満面の笑みを浮かべていましたね」(政治部記者) じつは、総裁選後の国会初日には、たまたま前を通りかかった高市早苗前経済安保相にも、手招きして話しかけていたという。高市氏が敗れた総裁選の決選投票で、旧岸田派は結集して石破首相に投票している。つまり、岸田前首相自ら“蹴落とした”相手だが……。 「『いったい何の話をしているんだ』と、記者席から不思議がられていましたよ。そもそも岸田さんは“無感覚モンスター”と呼ばれるほど、共感性に乏しい人なんです。安倍元首相は当選1回生だった頃から岸田さんと親しかったわけですが、『岸田さんは誰に何を言われても、思われても気にしない。あの無神経さは、政治家としての最大の武器だ。君ら、舐めていると痛い目にあう』と、旧安倍派の議員によく話していたそうです。首相を退いた今も、その“強み”は健在というわけですね」(同前) 岸田政権下でおこなわれた、派閥解消を含めた裏金問題への唐突な対応の数々は、安倍元首相の予言通りだったともいえよう。 とはいえ、冒頭の“自虐演説”も含め、今の異様な高揚感の理由は何なのか。総選挙を戦う自民党元議員がこう推測した。 「メディア各社の予想は非常に厳しい。よくても自公両党で過半数ギリギリという状態です。自分が総裁のままなら、あんな表情にはなりません。心底、ホッとしているのではないですか。岸田さんは落選経験はおろか、公示日に事実上、“当選確定”のような選挙しか経験がありません。基本的に注目されることが好きな人です。しばらく、党の役員や現職大臣として選挙をやっていたので、久々に気軽な立場で選挙に出られるのが楽しいのでしょう」(政治部デスク) 首相の座を退けば、裏金や旧統一教会問題への批判の苦しみも忘れるのか。気楽なものだ……。