「洲本市議会の懲罰は違法」 濱野議員の出席停止処分を取り消しの審決~兵庫県内の自治体で議員への処分取り消しは初~
洲本市のふるさと納税の不正を追及してきた市議
2022年の洲本市議会で事実と異なる発言をしたとして懲罰処分を受けた男性市議からの不服申し立てに対し、兵庫県の斎藤知事は、処分を取り消すことを決定しました。 ▶動画はこちら ふるさと納税問題追及の洲本市議 違法な処分で取り消し審決
濱野議員は過去に3度の出席停止1日の処分 このうち2022年12月の処分が取り消し
出席停止1日の処分が取り消されたのは、洲本市議会の濱野隆議員です。 濱野隆議員 「この懲罰によって議会だより(広報紙)だけではなく、マスコミでも報道され、私の名誉は著しく棄損されてしまいました」 審決書によりますと、濱野議員は、2022年12月の定例会の一般質問で洲本市長の選挙事務所で市長選を取り仕切っていた私人を誤認し、事実と異なる発言をしました。市議会は「議会の品位をおとしめた」などとして、濱野議員に対し出席停止1日の処分を科しましたが、濱野議員は不服を申し立て、2023年1月、兵庫県の斎藤知事に処分の取り消しを求める審決を申請。これについて斎藤知事は、県の自治紛争処理委員が行った審理を踏まえて「議会の裁量権の逸脱、または濫用に該当する違法な処分と認められる」として、3月27日付けで、処分を取り消すことを決定しました。県内の自治体で議員への処分が取り消しとなったのは初めてです。 濱野議員 「懲罰動議に連座した賛成議員の方は当然ながらまず議会として謝罪していただき、名誉回復の措置を講じてもらいたいと思います」
2023年12月(3度目)の処分についても審決を申請し結果を待つ
地方政治に詳しい関西学院大学の森脇俊雅名誉教授は? 関西学院大学 森脇俊雅名誉教授 「住民の選挙で選ばれた議員が市民の声を市政に反映させるという重要な役割を担っているんですけどもその役割を重要視したそういう内容が盛り込まれた審決だったと。戒告、陳謝、出席停止、除名と4つあるが出席停止というのは2番目に重い。議事に参加し議決に加わるという議員としての中核的な役割、仕事ができなくなる。非常に重い処分であるということでこの審決では、極めて不当な処分であるということで妥当性を欠くと判断したと思います。その点は私も賛成です」 処分取り消しを受け、洲本市議会の福本巧議長は、「まだ方向性が定まっていないのでお伝えできることはない」としています。
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