上方修正の「ビックカメラ」下方修正の「ヤマダデンキ」何が家電業界トップ2の明暗を分けたのか【月間ヒット記事】
一方ヤマダは通期予想を下方修正…
一方で、家電業界ではトップのヤマダホールディングス(9831)が冴えません。先日4月15日に24年3月期の通期予想を下方修正しました。 画像:ヤマダホールディングス「2024年3月期 通期業績予想の修正に関するお知らせ」 営業利益は当初予想の①50500(百万円)から②41400(百万円)へ③-18%の二桁の減額修正です。下方修正の理由としては、物価高に起因する家電の買い控えや、暖冬による季節家電の売上不振、巣篭もり需要の反動減が挙げられています。ちなみに四季報春号の24年3月期予想は営業利益42500(百万円)で、会社予想よりも弱気にみており、そちらのほうが精度は高かったことになります。やはり、インバウンド需要を多く取り込める都心の大型店を多数持つビックカメラのほうに軍配が上がります。 ただ、ヤマダホールディングスが、家電業界の先細りを何もせずに見ているだけではありません。リフォーム及び家具・インテリアなど「くらしまるごと」戦略を掲げ、巨大な新業態「ライフセレクト」の出店を本格化しております。その名のとおり、暮らしに必要なものがすべて揃う業態の店舗で、地域一番の圧倒的な品揃えをうたいます。来店頻度を高め、客層を広げ、家電の消費も促す狙いで、かなり本気の取り組みです。 その先行投資が利益を押し下げていることもあり、目先は、いばらの道ですが、その先には明るい未来がひらけていると信じたいところです。まずは、5月7日に発表される新年度予想に注目です。業績回復の光が見えれば、ビックカメラに大きく差をつけられている株価騰落率も縮まるかもしれません。 ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
藤川 里絵(個人投資家/CFP)