ドジャース・大谷翔平

　「ドジャース５－６カージナルス」（３０日、ロサンゼルス） 　ドジャースはベッツの４戦連発などで延長戦に持ち込むも３連勝を逃した。本拠地デビュー戦となった山本由伸投手が５回２安打無失点、三塁を踏ませない圧巻投球を見せたが、七回から登板したケリーが１回持たず５失点の大乱調で初勝利の権利が消滅した。 　立ち上がりからカーブが効果的に決まった。ストレート、スプリットだけでなくカーブの割合を多くすることでカージナルス打線をほんろう。初回を３者連続三振に仕留めると、二回はワンバン打ちの珍事がありながら招いた２死二塁のピンチをしのいだ。 　三回、四回と勢いに乗ってきたが、五回表が始まる前に雨脚が強まって中断。内野には全面シートが敷かれ、この時点で降板するかと思われたがメジャーでは異例の続投を決断。３５分間のブランクをものともせず、５回を６８球で投げきった。 　直後にフリーマンのタイムリーなどで２点を先制し、初勝利の権利をつかんだ山本。試合前、ロッカーには「てるてる坊主」が置かれており、大谷も手ぶりで「何これ？」と興味を示した場面も。園田通訳は「自分ではない」と語り、自作で用意した可能性もある。その甲斐あってか、降水確率も高かった中でゲームは続行された。そして記念の１勝になるかと思われた。 　しかしゲームは七回に暗転。この回から登板したケリーがアレナドに死球を与えるなどして無死満塁のピンチを招き、自らのボークなどで一挙５失点を喫し、イニング途中でＫＯされた。この時点で山本の勝利投手の権利は消滅。オフに大谷に背番号１７を譲り、そのお礼として夫人にポルシェをプレゼントされた右腕がまさかの大乱調で試合を壊してしまった。 　「２番・ＤＨ」で先発出場した大谷翔平選手は、初回に打球速度１８３キロの右前打を放ち２試合ぶりの安打をマーク。五回には四球で好機を拡大し、自らも２点目のホームを踏んだ。九回に１死からベッツが４戦連発となるアーチで１点差に迫り、迎えた５打席目では空振り三振に倒れてしまったが、フリーマンからの３連打で試合を振り出しに戻す執念。タイブレークで１点を勝ち越されて迎えた延長十回は、２死満塁で「捉えたつもりでしたけど、ポップフライに」と遊飛に倒れサヨナラの好機を逸した。 　チームは３連勝を逃し、カージナルスとの４連戦で勝ち越しを決めることはできず。それでもベッツ＆フリーマンが好調を維持し、山本が本来の姿を取り戻したことは大きな収穫だ。