輪島の被災者に「とり野菜みそ」 有名料理人が石川ソウルフード
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県で、北陸の有名店の料理人たちが炊き出しを続けている。地震で店舗が被災し、予約のキャンセルも相次ぐ中でも「料理人にできるのは料理しかない」と、避難所で温かい料理を振る舞っている。 1月11日、ミシュランガイドで星を取得したことのある金沢市のスペイン料理店「レスピラシオン」の料理人たちが、同市のレストラン「ぶどうの森」のキッチンに駆け付けた。 2店の料理人が協力して調理したのは、石川県のソウルフードとされる鍋料理「とり野菜みそ」。白菜やネギなどたっぷりの野菜と肉をみそ味で煮込んだ。被災者の健康を考え、うま味を利かせて薄味に仕上げ、保温容器に入れて車で輪島市に運び、1500食分を被災者に振る舞った。 レスピラシオンの梅達郎オーナーシェフは「被害に言葉が出なかった。現地の仲間に頑張ってと言える状況ではなく、自分たちが頑張ることにした」と明かす。 シェフたちが炊き出しに注力できるのは、店の被災や地震後の予約キャンセルの影響で営業ができないためだ。