法廷の傍聴席にカギ、公判が一時非公開に…裁判長「やり直さざるを得ない」と冒頭からやり直し
高知地裁で25日に行われた裁判員裁判で、法廷の傍聴席の出入り口が施錠され、公判が一時非公開の状態になっていたことがわかった。担当した稲田康史裁判長は非公開での開廷は憲法違反にあたると判断し、冒頭からやり直した。今後の公判の日程に影響はないという。
地裁によると、入り口が施錠されたのは同日午前10時から行われた窃盗罪や現住建造物等放火罪に問われた被告の男(43)の初公判。冒頭手続きが終わった同10時25分頃、法廷外に出ようとした傍聴人がドアの施錠に気付いた。
証拠調べに入る前に挟まれた休廷の後、再開する際に稲田裁判長が「公開の法廷でなかった可能性がある。手続きをやり直さざるを得ない」と説明し、訴状の読み上げなど最初から公判をやり直した。
今回使用された法廷の鍵は内側から施錠できるようになっており、誰が施錠したのかはわかっていないという。地裁は「再発防止について今後検討する」としている。