【小林製薬】「紅麹」めぐる健康被害問題…県内病院でもサプリ摂取で体調崩した2人入院事実判明(静岡県)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
小林製薬の「紅麹」をめぐる健康被害の問題で、これまでに全国で4人が死亡していたことが明らかになりましたが、静岡県内の病院でも、サプリメントを摂取していた2人が体調を崩し入院していたことがわかりました。 この問題は、小林製薬の「紅麹」を使ったサプリメントを摂取した人から腎臓の疾患などの健康被害や死亡した事例が判明したものです。県にはこれまでに健康被害が疑われるものが5件、報告されています。 ところでこの「紅麹」とはどのようなものに使われているのでしょうか。 静岡県立大学食品環境研究センターの若林敬二特任教授によりますと、紅麹菌は、一部が有毒物質「シトリニン」を作り出すことがありますが、国は、この「シトリニン」を出さないことを前提に使用を認めていて、菓子やかまぼこなどに広く使われているといいます。 今回、なぜこのような健康被害が起きたかについて若林特任教授は、小林製薬の「紅麹」から「シトリニン」が検出されていないことから、製造の過程でなにかしらの有毒物質が発生した可能性が高いとみています。 一方、28日、県庁では関係部局が集まり、「紅麹」について情報共有する会議が開かれました。会議では、県内ではこれまでに浜松市で1人の健康被害が疑われていることや、「紅麹」に関わる複数の相談が寄せられていることなどが報告されました。 (県 生活衛生局 衛生課 太田智恵子 課長) 「(相談は)『商品を利用した』や『先日まで利用していた』『症状がなくても不安』などと聞いている。健康障害の疑いがある人は、国へ報告する」 影響は紅麹原料を扱う企業にも及んでいます。県内で小林製薬の紅麴原料を使用した製品を製造していた企業の関係者は、「発覚から公表までに2か月要していることが問題であり、問題とされる物質を早期に特定してほしい」とコメントしています。 そんな中、富士市立中央病院では健康被害の相談が相次いでいて、小林製薬の「紅麹サプリ」を摂取していた人が2人入院していたことがわかりました。2人は40代から50代の女性で、そのうち1人は入院にともないサプリメントの摂取をやめたところ回復したため一度退院しましたが、その後、再びサプリメントの摂取を始めたところ、約1か月後に再入院したということです。 (富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長) 「この2症例は健常人なので、元々ほかに病気を持っていない方。ほかに考えられる原因が少ないことからも、かなり(紅麹との関係が)濃厚じゃないかと考えている」 富士市立中央病院が会見を行っています。 (富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長) 「当院で2症例、紅麹に関連する腎障害の入院症例がありまして、そちらについて報告させていただきます。まず1症例目ですが、もともと健康な方で、受診の3~6か月前に『コレステヘルプ(小林製薬の紅麹原料のサプリメント)』の摂取歴があります。他院に消化器症状があって受診されていて、その際の採血で高度な腎機能障害を認めまして当院に紹介いただきました。その精査のため当院に入院していますが、保存的加療で消化器症状、及び腎機能は改善し、数週間で退院できています。ただし、その当時、我々は『紅麹』が原因とは考えておらず、脱水に伴う急性腎障害というような診断で対処し、外来加療に移行しています。この時点で後ろ向きに見ますと、実は入院中『コレステヘルプ(小林製薬の紅麹原料のサプリメント)』の内服はストップしていますので、もしかするとそれにより腎障害が改善した可能性があると考えています。その後、外来加療の経過のなかで体調が戻ったということで、『コレステヘルプ(小林製薬の紅麹原料のサプリメント)』の内服を再開していますが、その後、急性腎障害を再度発症して再入院されました。この2回目の入院中に各種検査を行っていまして、その中で今回の報道を受けまして、『紅麹』による尿細管障害、これが原因の急性腎障害であったのではないかと診断しています。治療経過についての詳細は割愛しますが、現在、保存的な加療で腎機能は改善傾向です」 1症例目の方の状況などをお伝えしました。2症例目の方についても会見が続いていまして、健康な人で、受診前に6か月間「コレステヘルプ(小林製薬の紅麹原料のサプリメント)」を服用していて、高度腎機能障害で入院したということです。入院した2人に関しては、いずれも現在は退院しているということです。
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