株価の変動も気にしなくてOK! この「増配マシマシ株」で配当貴族を目指せ!
銘柄はどう選べば? 「先のNTTのように、潰れそうもない企業を選ぶのが私の手法です。具体的には、参入障壁が高いビジネスであること、業界1位か2位の企業、市場シェア3割を超える企業、継続的に収益が得られるストック型ビジネスを展開する企業などがいいでしょう。もう少し吟味するなら、1株当たり利益が毎年順調に伸びている企業がベターです。 また、必ずしも毎年増配している必要はなく、多少の減配や据え置きの年を挟んでいても長期的に増配傾向であれば投資対象になります。業績に余裕がないのに無理に増配する企業よりも、配当を冷静にコントロールする企業のほうが信頼できますからね」 ■配当利回り3.5%がひとつの基準 同じ配当株投資家でも、銘柄の選び方は十人十色。次に教えてくれたのは『ほったらかしで年間2000万円入ってくる超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社)の著者で、株式投資歴40年で8億円の資産を築いたかんち氏だ。 「私の場合は、買う時点で配当利回り(年間配当額を株価で割った数値)が4%を超える高配当株を狙っています。ところが、直近の株高で4%超の銘柄が減ってきました。 そこで、現在では高配当株の基準を配当利回り3.5%に変更しつつ、それでも良い銘柄が見つからなければ、増配基調で3.0%程度の銘柄にも投資するというスタンスです。現状の配当利回りが高くなくても、数年待てば3.5%や4.0%になる増配株を狙うわけです」 銘柄選びのコツは? 「今は有名な大企業よりも、若干マイナーで時価総額が小さい、小型株と呼ばれる企業群のほうが割安な傾向にある。私はそれらも含めて幅広く投資先を選んでいます。 投資にあたっては長期的に増配傾向にあるという事実のほかに、増収増益基調であることが必須です」 購入タイミングについては、配当太郎氏同様、「下落を待つのではなく、少しずつ買い進めるのがいい」としつつ、こう付け加えた。 「とはいえ、買うタイミングは投資成績を左右する重要な要素。厳選した銘柄であれば、個別要因で株価が下がったところでは積極的に投資したいですね。例えば、新たに株を発行して資金を調達する公募増資が発表されたとき。 短期的には既存株主の利益が減ってしまうため株価は下落することが多いのですが、実は長期的には財務が健全になることで企業にとってプラスも見込める。長期投資するなら買い場なんです。 このように工夫しながら増配株を積み上げれば、将来的には"自分年金"と呼べるような収入源が出来上がるはずですよ」 両氏が選ぶ注目企業を表にまとめた。持つだけでどんどんお金が増える増配ラッシュ、乗らない手はない! ●配当太郎氏投資家。保有銘柄の9割は増配銘柄が占める。Xのフォロワーは18万人超。著書『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』は6刷4.6万部 ●かんち氏専業投資家。元消防士で、49歳のときに早期退職。生活費のすべてを株の配当金と株主優待で賄う。著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる超★高配当株投資入門』は4刷4万部 取材・文/西田哲郎