UBEビエンナーレ開幕、ギネス世界記録認定後初【宇部】
30回の節目、12月22日まで
第30回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)は27日、常盤公園の彫刻の丘(野外彫刻展示場)で始まった。ギネス世界記録認定後初で記念すべき節目ともなった今回、大賞の宇部市賞に選ばれたのは福岡市の大学院生、渡久地佑弥さん(24)の「Press block(プレス・ブロック)」。会期は12月22日までで、多彩な関連イベントもある。市、UBEビエンナーレ運営委員会など主催。 1961年に国内初の野外彫刻展として始まり、2年に1度の開催を続けている。今年3月には「最も長く続いている野外彫刻展」としてギネス世界記録に認定された。今回は28カ国から183点(うち国内134点)の応募があり、1次審査で実物制作指定作品に選ばれた15点を会場に展示。開幕前日の26日に開かれた選考委員会で、大賞など9点の入賞作品を決定した。 27日のオープニングイベントは天候不順のため彫刻の丘から会場を変更し、ときわ湖水ホールで開かれた。篠﨑圭二市長は歴史やギネス世界記録への認定に触れながら「ビエンナーレは市民と育んできた宝物。野外彫刻は季節や時間帯によっても見え方が変わるので、いろいろなタイミングで楽しんでほしい」とあいさつした。 イベントには、同展の音声ガイドを務める女優の山本美月さんが出演。UBEビエンナーレ運営委員で美術評論家の水沢勉さんと、野外彫刻の楽しみ方をテーマとしたトークショーを繰り広げた。市の野外彫刻をテーマにした絵画コンクール「第7回描いちゃお!うべの彫刻2024」(市文化創造財団主催)の表彰式も併せて開催。特別審査員を務めた山本さんが、各部門で自身の名を冠した賞を受賞した5人に表彰状を手渡した。 イベントには約3000人が来場し、子どもたちはパワフルなダンスパフォーマンスを披露。締めくくりには出席者がスカイランタン300個を夜空に上げた。赤や黄、青などのカラフルなLED(発光ダイオード)のランタンが、幻想的に開幕を彩った。 会期中は来場者の投票で決定する市民賞の投票が、彫刻の丘の会場受付で行われる。発表は1月中旬の予定で、投票者には図録のプレゼントもある。 各賞の受賞者は次の通り。(敬称略) ▽大賞(宇部市賞)=「Press block」渡久地佑弥(福岡県)▽UBE賞=「IMAGINE」藤井浩一朗(東京都)▽柳原義達賞=「Hito_ita-k021 Jun.024」Kyuichi Sato(宮城県)▽毎日新聞社賞=「十二の物語」小笠原伸行(千葉県)▽山口銀行賞=「THE FOREST GOWN」石上和弘(静岡県)▽宇部商工会議所賞=「フリーエア」ファン・ユジョン(台湾)▽島根県吉賀町賞=「見てくる犬」佐藤一明(静岡県)▽県立美術館賞=「雨雲ヒュッテ」大西治・大西雅子(京都府)▽島根県立石見美術館賞=「そのさきにあるもの」関玄達(東京都) 描いちゃお!うべの彫刻の山本美月賞の受賞者は次の通り。(敬称略) ▽未就学児=横屋花奈▽小学校低学年=能津ひなみ▽同高学年=岡田千花▽中・高生=山縣史奈▽一般=針間サラン