“断水”生活再建の壁に 熊本地震で「被災」ボランティアも 能登半島地震から1か月
日テレNEWS NNN
元日を襲った能登半島地震から2月1日で1か月となります。石川県によると、県内では1日午後2時時点で1万4431人が避難所に身を寄せています。1日、「news zero」は石川・七尾市を訪ねました。 避難してきた人 「ここに来たら寝られたね、うれしかった」 ――床で寝るよりは? 避難してきた人 「そうですね。床には色々ビニールなど敷いて寝ていたけど、これ(ベッド)はいいわね。これは寝やすいわね」 ただ、生活再建の壁となっているのが断水です。 避難してきた人 「水あればね。なんでも作れるし、掃除もできるし」 市内の7割ほどで断水になっている七尾市。復旧は3月中になるとみられています。 1日、「news zero」が訪ねたのは、以前、避難所で出会った小学校5年生の桶川彰斗さん(11)。 桶川彰斗さん(11) 「お久しぶりです」 ――元気にしていた? 桶川彰斗さん(11) 「はい」 学校は再開したといいますが… 桶川彰斗さん(11) 「水は出ていますけど、出ていないところもある。給食は今、出ていない」 やはり、断水の影響があるということです。給食が出ないため、授業も午前中しかできないといいます。 父・浩亨さん(53) 「今、自分も休職中なので、お昼は一緒に食べられる」 自宅で過ごすなか今、日課になっていることがありました。バケツを持ち向かったのは川です。 ――バケツいっぱいにいつも入れる? 父・浩亨さん(53) 「そうですね。少ないと足りなかったりする」 朝晩2回、トイレ用に水をくんでいるといいます。 食事も、皿の上にラップを敷いて洗う数を減らすなど、断水対策を続ける日々。 ――こうなったらいいなってことは? 桶川彰斗さん(11) 「水とか出て、給食が出たらいいな」 ――給食は何、食べたい? 桶川彰斗さん(11) 「あげパン」 ◇ 同じ七尾市にある商業施設には、全国からたくさんの支援物資が集まっていました。 大塚亜由莉さん(23) 「調味料とか、断水してるので無洗米のお米とか集めている」 ここでボランティアをしている大塚亜由莉さん。実は… 大塚亜由莉さん(23) 「高校生の時に熊本地震で被災したんですけど、自衛隊やボランティアの支えがすごく大きくて、いつか恩返しがしたいなと。ニュースで見た瞬間に『行かなきゃ』という感情しかなくて、その日に行く方法調べて」 「熊本支援チーム」という団体がボランティアに入ることを知り、即行動。地震翌日には、およそ17時間かけ石川に入ったといいます。 大塚さんは“同じ境遇の人たちを助けたい”と話します。 ――大塚さん自身も生活しないといけないが今、どうしている? 大塚亜由莉さん(23) 「ここの上で寝泊まりしている。こっちが女子部屋で…」 1か月、寝袋生活。さらに、仕事も正社員から契約社員に変え、リモートワーク。今後もボランティアを続けていくといいます。 大塚亜由莉さん(23) 「(七尾の人は)『自分たちは奥(能登)よりひどくないから』って言っているけど、被災しているのは変わらないから、声を出して『助けてほしい』と言ってほしい」 ――そこまでここで1か月頑張る理由は? 大塚亜由莉さん(23) 「本当に(支援を)必要としていた人に届いた時の『ありがとう』という言葉だけが十分というか、そのために来たんだなって思う瞬間はあって…ここに来て『私のやるべきこと』がこれなんだなって」 (2月1日放送『news zero』より)