魅惑の音色「バンドネオン」 世界大会の優勝奏者がスタジオライブ アルゼンチン・タンゴに欠かせない楽器
■「川の流れのように」スタジオで圧巻の演奏 神戸:ではちょっと演奏を聴いていただきましょう。 川波:皆さんがご存じであろう曲を用意してきました。 ♪バンドネオンの演奏「川の流れのように」 田畑:ブラボー!重層的な和音の壮大さもあれば、すごく繊細な音も表現できて、そういうところが心のひだに触れるというか、郷愁を駆り立てるところもありますよね。 川波:うれしいですね。私も何度となくこの楽器を止めようと思ったけど、UFOキャッチャーで拾い上げられたように、また戻ってきてる。 田畑:何があったんですか?でもやっぱり、また魅力に戻っていくわけですね。 橋本:なんか鳥肌がずっと止まらなくて。美しかったんですけど、質問がたくさん浮かんできました。強弱はどうやって付けているのだろう、と。見ていてわからなかったので伺いたいな、と。 川波:皆さんが声を出している時、ささやく時は声を少なくしているじゃないですか。だからそれをコントロールして、(蛇腹を開いて)空気をたくさん入れると、音が大きくなる。 橋本:どこから音が出ているんだろう? 川波:いい質問!たこ焼き器に”割り箸”がつながっているんです。たこ焼きの丸(71個のボタン)から割り箸がついて、そのところに弁が付いているわけです。シーソーのように、ボタンを押したら反対の弁が開いて、裏側にリードがあるので、中の部屋に風が当たって音が鳴る、という仕組みです。 ■本場アルゼンチンに留学へ 神戸:移民とともに南米・アルゼンチン、ウルグアイに渡って、アルゼンチン・タンゴに欠かせない楽器になったと。 川波:元々アルゼンチン・タンゴは、フルートとギターでかわいらしい音楽だったんですが、ピアノやバンドネオンが入って、歯切れがいいリズムに。歯切れがいいと言われるのは、この楽器が入ってきてから。それで花形楽器とされたんです。 神戸:今度、留学するんですって? 川波:そうなんですよ。日本の夏を体験せずに、7月からアルゼンチンの本場で勉強したいなと思って、行ってきます。 田畑:南半球は冬ですからね。 神戸:それでは、もう一度、時間まで川波さんのバンドネオンの演奏をお聴きください。 ♪バンドネオンの演奏
■◎神戸金史(かんべ・かねぶみ) 1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、長崎支局で雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュース報道やドキュメンタリーの制作にあたってきた。23年から解説委員長。最新の制作ドキュメンタリーは、『リリアンの揺りかご』(映画版、80分)。
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