NHK連続テレビ小説「虎に翼」第98回の一場面 （C）NHK

　伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説（朝ドラ）「虎に翼」（総合、月～土曜午前8時ほか）の第98回が、8月14日に放送され、本編後に映った白猫に「癒やされる」との声が視聴者から次々と上がった。 【写真特集】懐かしい！　優未の着ていた黄色のワンピースの“正体”　ベルトまで完全一致？

　第98回では、寅子（伊藤さん）のいる東京地裁民事第二十四部で「原爆裁判」を担当することが決まる。訴状を読んだ寅子。原告代理人の欄には、雲野（塚地武雅さん）の名前が書かれていた。

　雲野は、弁護士の岩居（趙珉和さん）を連れ、「山田轟法律事務所」を訪問。昭和20（1945）年に広島と長崎に落とされた原子爆弾の被害者が、日本政府に賠償を求める裁判で、原告代理人を務めることを、再会したよね（土居志央梨さん）と轟（戸塚純貴さん）に話し、訴訟の協力を要請する。

　なぜ、訴訟が“今”なのか。「多くの民間人が犠牲となった国際法違反と言える行為の責任を、戦勝国があるがゆえに問いただすことができないというのはあまりにも不公平だろう？」というい雲野によねが尋ねると、横で岩居が「去年、あの事件があっただろう」と口にし、ナレーションで「昭和29（1954）年3月、アメリカ合衆国はビキニ環礁で水爆実験を行い、第五福竜丸が降爆しました」と、大きな社会問題となった“事件”を解説した。

　雲野は、よねと轟に「忘れ去られることがないように、同じ過ちを繰り返さぬように、誰かが声をあげねばならん」と改めて訴えると、「ご覧の通り私ももう年でね。あちこち体も悪くて、具合が悪い日は、つい弱気になってしまう。だから私にもしものことがあったときは、二人で岩居君を助けてやってくれないか」とお願いする。どこか慎重な轟の前で、よねは「分かりました」と返答。雲野は「ありがとう」と頭を下げた。

　一方、民事第二十四部でも、寅子、汐見（平埜生成さん）、漆間（井上拓哉さん）が裁判について「争点は多岐にわたる」ことに話し合いがもたれる。「国際法の問題」「戦争とは」「戦争のルールとは何か」「原子爆弾とは何か」「日米関係のこれまでとこれから」「犠牲者の方々とどう向き合い、これからの教訓とするのか」「そもそも、あの戦争とは何だったのか」──。