これはツラすぎる…有名漫画に登場する“最愛の母と少年の悲しい別れのシーン”
■漫画史上最も残酷!? 衝撃的な別れのシーン『進撃の巨人』
諫山創さんによる『進撃の巨人』は、主人公のエレン・イェーガーが仲間とともに故郷を襲った巨人たちと対峙していくストーリーである。そんな本作には、あまりにもショッキングなエレンと母・カルラの別れのシーンが登場する。 巨人がエレンの家を破壊し、下敷きになってしまったカルラ。エレンは間一髪のところで駐屯兵団に救いだされるも、カルラは「生き延びるのよ…!!」とエレンに告げ、そのまま巨人に捕食されてしまう。 カルラが巨人に食べられる光景を目の当たりにし、狂気に近い復讐心を抱いたエレン。本作で最も有名なセリフであろう、巨人に対する「駆逐してやる!! この世から…一匹…残らず!!」は、このシーンがきっかけで生まれている。 エレンはここから、たくましい調査兵団の戦士へと成長していく。漫画界のなかでも稀に見る残酷な別れ方ではあるが、エレンは母の悲劇を背負い、その苦しみを力に変えていくのだ。また、ストーリーが進むにつれて、この母との別れが物語の展開に深い影響を与えていることも明らかになっていく。 それにしても、息子が逃げ延びることを望み、その背中を見送りながらも瓦礫の下で「行かないで…」と小さくつぶやいたカルラの想いを考えると、どうにもやるせなくなってしまう印象的なシーンだった。
■お母さんぼくは銀河鉄道へ乗るよ…!『銀河鉄道999』
松本零士さんの『銀河鉄道999』は、主人公の少年・星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに、さまざまな惑星を旅していく物語だ。本作は連載が始まる初回で、鉄郎と母との悲しい別れが描かれている。 美しい鉄郎の母親は、機械伯爵の人間狩りによって殺されてしまい、その体は剥製にされてしまう。死の間際、母親は鉄郎に対し“銀河特急999号に乗れば機械の体がタダでもらえる惑星に着く。その列車に乗りお父さんやお母さんの分まで長生きして”という言葉を残し亡くなってしまうのだ。 その後、鉄郎はメーテルと出会い、銀河鉄道999のパスをもらう。旅立つ前に鉄郎はメーテルから銃をもらい、機械伯爵の館へ向かって彼らを壊滅させた。そして剥製として飾られている母の亡骸を前に「お母さん……見てくれ、パスだよ!! ぼくは銀河鉄道に乗るよ!」と涙ながらに宣言し、館もろとも燃やすのだ。 母が殺されてしまったことが原因で、鉄郎はいつか自分が機械の体を手にし、地球にいる機械人間を壊滅させる目標を持つ。しかし銀河鉄道への旅がはじまると、彼は多くの人々と出会いさまざまな経験を積むなかで、機械の体が本当に必要なのかという疑問に直面していく。 鉄郎と母との別れは壮絶で悲しすぎるシーンだったが、鉄郎が辿り着く先には、彼自身の成長と新たな未来が待っているのだ。 今回紹介した少年と母との別れのシーンは、すべて少年の母親が亡くなってしまう悲しい別れ方だった。しかし壮絶な別れを経験した少年たちが、その後大きく成長していく姿には目を見張るものがある。 現実世界では今回紹介したような悲しい別れはしたくないものの、息子が母親から巣立つことは重要だ。母との別れは痛みを伴うが、それは新たな成長と絆の始まりでもある。そして、その絆は時間や距離を超え、永遠に続いていくのだろう。
でかいペンギン