リーグの権威を失墜させかねない誤審
もしレアル・マドリーがリーグ優勝すれば、決定的な夜としてして記憶されることになるだろう。
レアル・マドリー対アルメリアの99分、ベリンガムの落しに滑り込んだカルバハルが挙げた劇的な決勝ゴール。一時は2点差を付けられた試合を4-3で逆転し、バルセロナとの7差を維持した。首位は消化試合が1つ多いジローナだが、アンチェロッティのチームにとって本当に重要なのはシャビのチームとの勝ち点差である。
ホームで相手はまだ未勝利の最下位アルメリアとなれば「勝利は確実」と誰もが思う。が、30分足らずで0-2とされ、アンチェロッティは初めてハーフタイムに3人の交代を行った。敗れていたら4差、引き分けだったら5差だった。往々にして、こういう計算外に足をすくわれて優勝争いはわからなくなるのだ。
もっとも、忘れられない週末となったのは逆転勝利以上に、それが微妙なジャッジの結果だったからだ。
3度のVAR介入はいずれもレアル・マドリー有利な判定となった。うちアルメリアゴールを取り消すことになったファウルには議論の余地がなかったが、レアル・マドリーの2ゴールに結び付いた、アルメリアDFのハンドによるPKのジャッジと、ビニシウスのゴールがハンドでないとされたジャッジは微妙だった。
まずアルメリアDFのハンドについては、腕に当たっているのは間違いないが、その前にリュディガーが相手DFの両肩に手を掛けてジャンプしているのは不問にされた。
ラ・リーガでは最近VARでの審判間のやり取りがビデオと音声で公開されることになったのだが、ハンドの有無は議論されてもファウルまがいのジャンプについては議論自体がされていなかった。
「ハンドか否かは関係ない。その前にファウルがあった」というアルメリア側の猛アピールがバックグラウンドで録音されていた。主審の解釈次第のアクションだから一概に誤審だとは言えないが、ハンド同様の疑わしいジャンプが無視されたのは、個人的には納得がいかない。