バグ技が公式採用?ドラゴンクエストらしさ全開の「DQタクト」新イベントに「最早スクエニ公認なんだな」過去にも事例多数
人気アプリゲーム『ドラゴンクエストタクト』が、10月28日より「真・ドラゴンクエストIIイベント」を開催した。ナンバリングタイトルをテーマにしたイベントで、同日より「ドラクエII」の主人公・ローレシアの王子が実装されている。 【画像】ひかりのつるぎ、ちからのたて…真DQllイベントの「ローレシアの王子」をチェック(全4枚) このローレシアの王子が習得する技の一つに、“はかぶさのけん”というものがあるのだが、これは実はもともと、ユーザー間で流行った“バグ技”であることをご存じだろうか。 攻撃力最強クラスの武器「はかいのつるぎ」と、攻撃力はそれほど高くないが、2回攻撃ができる武器「はやぶさのつるぎ」をバグによって性能を合成させ、「はかいのつるぎ」の攻撃力で2回攻撃ができることから、ユーザー間で“はかぶさのけん”と呼ばれて話題になったバグ技なのだ。 そしてこの“はかぶさのけん”は、いつからかなんと公式でも採用されるようになりだして、今ではすっかり「ドラクエII」の最強武器の一つとして定着するようになった。 今回も当然のごとく、“はかぶさのけん”が公式で使われていたことで、ネット上では「はかぶさのけんは最早スクエニの公認なんだな(笑)」「一般的に呼称として認知どころか公式が使ってんのかw」「バグ技のはかぶさのけんを堂々と必殺技で使っててワロタ」といった声があがっている。 しかし思い返すと、『ドラクエシリーズ』はこうして、ユーザー間で噂になったバグ技や都市伝説を柔軟に公式設定として取り入れてきたケースがいくつもある。 1992年にスーパーファミコンで発売された『ドラゴンクエストV』では、裏ボスの「エスターク」を“〇ターン以内”で倒すと仲間になるという都市伝説が大拡散。これは本当に都市伝説で、実際にはどれだけ早く倒しても仲間になることはなかった。
DQ3では“ご褒美“に昇華…これまでを振り返る
しかし『ドラゴンクエストV』がリメイクされると、そんなユーザーの願いを聞き入れるかのように、とあるステージをクリアすることで、自称・エスタークの息子という「プチターク」を仲間にすることができるようになったのだ。 また、1996年に発売されたリメイク版の『ドラゴンクエストⅢ』では、裏ボスの「しんりゅう」を“〇ターン以内”で倒すと特別なご褒美をくれるというシステムになっていた。こちらもやはり、92年に流行した都市伝説を踏まえた設定だろう。 バグというほどではないが、AIの不具合をユーザーたちにいじられたのが、1990年発売の『ドラゴンクエストⅣ』に登場する仲間キャラ・クリフトだ。彼は相手を即死させる呪文「ザキ」「ザラキ」を覚えるのだが、当時のAIはそこまで精度が高くなかったためか、なんとクリフトは即死技が効かないボス相手にも「ザラキ」を連呼。意味のないチャレンジを繰り返す様子が狂気的で、クリフトはユーザー間で“ザラキキャラ”と定着した。 するとこの設定を公式も採用し、のちにリメイク版が発売されたときには、AIが優秀になったにも関わらず、クリフトは確率で無謀な「ザラキ」を唱えるようインプットされたのだ。 超ビッグタイトルになったにも関わらず、こうしたユーザーとの距離が非常に近いところが、ドラゴンクエストの魅力の一つなのかもしれない。
神山勝丸