ヤクルトの反撃のキーマンとなるか 新外国人「ペコちゃんとパダちゃん」はなぜ日本野球にアジャストできたのか?
開幕から苦しい戦いが続くヤクルトにあって、ふたりの新外国人投手が見事なピッチングを続けている。ミゲル・ヤフーレは、ここまで(4月29日現在)5試合に先発して4勝1敗。ホセ・エスパーダは中継ぎで10試合に登板して、防御率0.87。ふたりの存在はこれからの巻き返しに向け、チームのポジティブ要素のひとつになっている。 【写真】ヤクルトのダンスチーム「Passion」2024年新メンバー5人・厳選カット集 【課題はクイック】 石井弘寿ピッチングコーチは「ヤフーレもエスパーダもまだ成長途上で、本当に研究熱心ですし、日本の野球に順応しようと頑張っています」と評価した。 「ヤフーレは、僕たちに『ここはどう思いますか?』とか『どうしたらいいですか』と、去年の自分の映像を見せて聞いてきます。エスパーダはクイックや牽制など課題はいろいろありますけど、それを克服しようと一生懸命取り組んでいます。日本で成功するためにはそういう姿勢が一番大事なところなので、ふたりともいい方向に進んでいると思います」 ヤフーレは開幕3戦目となった3月31日の中日戦に先発すると、6回を6安打2失点にまとめ来日初勝利。その後も、「自分はボールを低めに集め、ゴロを打たせて打ちとるタイプです」という持ち味を発揮して、ここまでリーグトップの勝利数を記録している。 ヤフーレはうまくいっているところと、見つかった課題についてこう話す。 「自分の原点である打者に向かっていくピッチングが、ここまではできています。ただ、前々回の登板(4月21日のDeNA戦/7失点)ではそれができませんでした。課題としては、日本はランナーがよく走ってくるので、クイックがすごく大事になってきます。そこがもう少しうまくなれば、ランナーにそこまで気を遣わずに済むと思うので、そこを修正ポイントとして練習していきたい」 日本の打者や投手の印象を聞くと、「バッターはボールの見極めがいいですし、ストライクゾーンに対してすごく教育されていると思いました」と言い、こう続けた。 「マイナーでプレーしている時に、ブルックス・クリスキー(かつてDeNA、西武でプレー)から『日本の打者はボールに当てる技術が高いし、野球のレベルも高いよ』と聞いていたのですが、ほんとにそのとおりだなと。ピッチャーもストライクゾーンをよく知っていますし、いろいろな球種を投げる人が多い印象です。自分もそういうタイプなので、とくに誰からというのはありませんが、もっともっと学んでいきたいと思っています」