なぜダルビッシュはカブスへ。そこで待ち受ける試練とは?
カブスと6年総額1億2600万ドル(約138億円)で契約したと報じられたダルビッシュ有。まだ、身体検査が残っているようだが、結局は、スタンスを貫いたことになる。 昨年11月1日ーーワールドシリーズ第7戦で負け投手となった夜、会見場に現れたダルビッシュはFA(フリーエージェント)権をどう行使するか、つまり、新たなチームをどんな基準で選ぶのか、と問われてこう話した。 「なんですかね。本当にワールドシリーズでやり返したいじゃないけど、そういう(気持ちが)もっと出てくると思うので、そういうチャンスのある球団がベストですけど・・・・」 ワールドシリーズで勝てるチームへーー。 1月に入って、レンジャーズの番記者ジェフ・ウィルソンが、「レンジャーズ、ヤンキース、カブス、アストロズ、ツインズに絞った」とツィートすると、それにダルビッシュが、「あと1球団ある」と応じて、6球団と交渉していることが明らかとなった。 6球団目はドジャースともブルワーズとも言われたが、いずれにしても来季も上位が予想されているカブス、ヤンキース、アストロズ、ドジャースの4球団の名前が入っていたのは、前提通りだった。 ただ、アストロズは1月13日に、トレードでパイレーツのエースだったゲリット・コールを獲得し、撤退。ドジャースとヤンキースは、ぜいたく税を課されないようチームの年俸総額を1億9700万ドル(約215億円)以下に抑えようとしており、ダルビッシュと契約するには不良債権を整理するなど枠を空ける必要があった。 そんな中で今オフは、ロレンゾ・ケイン、クリスチャン・イエリッチを獲得するなど、積極的な補強を図っているブルワーズと、安定して勝つために最後のピースを探していたツインズが、ともに1億ドル(約110億円)を超える正式なオファーをしたと報じられた。その彼らは、かなり積極的だったようだが、それ以上の上積みを躊躇。総額で1億5000万ドル(約165億円)前後が相場と言われたことを考えれば、あと一声がなかった。 米メディアの報道などを総合すると、最終的に残ったのはカブスとドジャース。ドジャースは6年総額で、1億ドル(約110億円)に近い額を提示し、カブスは6年総額で1億2600万ドル(約138億円)をオファー。出来高次第では、総額が1億5000万ドル(約165億円)にまで跳ね上がるとされる。ドジャースの総額はツインズ、ブルワーズとさほど変わらないが、実は冒頭のコメントには、こんな続きがある。 「自分はドジャースでやりたいです」 ダルビッシュとしても、金額では、はかれないものがあったのではないか。