【デスク便り】挑戦者ではなく「侵略者」として…ケンタッキーダービーに挑んだ日本馬2頭
「インベーダー」-。主催者が日々放送していた調教風景の中継番組を見ていて、解説者がフォーエバーヤングのことをそう言ったように聞こえた。 英和辞典であらためて確認すると、「侵入者」「侵略者」。インベーダーという単語で思い浮かべるのは、インベーダーゲーム。自分より上の世代、現在50代前後の方たちがはまったゲームだと思う。 “侵略”と聞くと、一瞬、あまりいい表現に思わないかもしれないが、日本人も来日する外国馬のことを軽々しく「刺客」と表現するのだから…。 「挑戦者」ではなく、「侵略者」として。今年の、記念すべき第150回のケンタッキーダービーで、日本馬2頭(フォーエバーヤング、テーオーパスワード)はその表現に値する、地元米国勢、米国の競馬関係者にとって、脅威的な存在だったのだと思う。 レースが終わり、レース結果を報じる現地の大手メディア「ブラッドホース」も「サラブレッドデイリーニュース」も「ジャパニーズ・インベーダー」と書いていた。「チャレンジャー」ではなく、「インベーダー」だ。 日本のファンの期待に応え、“強い日本馬”として、「インベーダー」として、現地米国の期待にも応えた2頭の走りは本当に立派だった。矢作厩舎、高柳大厩舎、さまざま形で遠征に携わった方々、2頭の生産に携わった方々、応援したファン。みんなに感動を与えた。 勝つことはできなかったが、2頭の挑戦が新たな歴史を作ったことは間違いない。無事の帰国を願い、心の底から健闘をたたえたい。【競馬デスク@大阪中之島】