同じ「年収400万円」なのに、同僚の税金は「14万円」で私は「26万円」のようです。結婚してるからってそんな優遇おかしくないですか!? 私も生活に余裕はないのですが…
税金の計算には「扶養」が考慮されるので、独身者に比べて既婚者の方が、税金が少なくなる場合が多いです。ただ、同じように働いて年収も同じであるにもかかわらず、税金が違うとなるとふに落ちないと感じる人もいるでしょう。 本記事では、「扶養家族の有無でどのくらい税金が変わるのか」と、「既婚者が優遇されると言われる理由」について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
「配偶者控除」と「扶養控除」とは
既婚者の方が独身者に比べて税金が少なくなりやすいのは、「配偶者控除」と「扶養控除」が適用される場合が多いからです。配偶者控除と扶養控除は、税金の計算過程にある所得控除で、いずれも扶養している家族がいる場合に適用を受けられます。配偶者控除は配偶者、扶養控除は配偶者以外の扶養家族に対して使われ、控除額はいずれも基本的に38万円です。 つまり、結婚していて配偶者が働いておらず、子どもが2人いる場合、配偶者控除38万円と扶養控除76万円の計114万円の所得控除が受けられるということですね。 ■12月31日時点で15歳以下には扶養控除なし 中学校卒業までの子どもを育てている人に対しては「児童手当」が支給されている関係で、扶養控除が適用できる扶養家族は、「その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人」と規定されています。よって、子どもを養っているとしても扶養控除にカウントされるのは高校生からなので注意しましょう。
独身者と既婚者の税金の違い
それでは、独身者と既婚者で税金がどのくらい違うのか具体的に計算してみましょう。いずれも年収400万円(社会保険料60万円)とし、独身者は扶養家族なし、既婚者は配偶者と子ども17歳、10歳を扶養しているものとします。所得控除は、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除のみを考慮します。 【独身者】 (400万円-給与所得控除124万円)-社会保険料控除60万円-基礎控除48万円=課税所得168万円 168万円×(所得税率5%+住民税率10%※)+住民税均等割5000円=25万7000円 【既婚者】 (400万円-給与所得控除124万円)-社会保険料控除60万円-基礎控除48万円-配偶者控除38万円-扶養控除38万円=課税所得92万円 92万円×(所得税率5%+住民税率10%※)+住民税均等割5000円=14万3000円 独身者の税金は約26万円、独身者は約14万円という結果になりました。年間の手取りが10万円以上も変わるので、不満を抱く人がいても不思議ではないでしょう。 ※住民税の税率は所得にかかわらず、一律の10%となっています。なお、住民税での配偶者控除や扶養控除、基礎控除の金額は、所得税より少なく設定されていますが、本記事では計算の便宜上、所得税と同額にしています。