メキシコ次期大統領、経済相にエブラルド前外相指名-ペソ上昇
(ブルームバーグ): メキシコのシェインバウム次期大統領は次期経済相にエブラルド前外相を指名した。他の潜在的な候補より市場に友好的とされる人物の登用を市場は歓迎し、通貨ペソの売り圧力が後退した。
エブラルド氏は左派与党、国家再生運動(MORENA)内で穏健派とされる。ロペスオブラドール現大統領の任期序盤にトランプ米大統領(当時)に対応した経験を持ち、トランプ氏が返り咲いた場合などでは特にシェインバウム氏を利すると考えられる。
ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のグローバル外為・中南米戦略責任者アレハンドロ・クアドラド氏は「劇的な変化ではないが、何となく新鮮で、財政へのコミットメントを示すものだ」とし、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)にかかわった経験があり、対米関係は次期政権の最も重要な経済的要素にとどまるだろう」と予想した。
シェインバウム氏が大統領選で勝利して以来、ペソは急落している。ロペスオブラドール大統領とMORENAが司法制度見直しなど物議を醸す改革を推進するのではとの懸念からだ。また次期大統領が、現大統領にイデオロギー的に忠実で、介入主義的な経済政策を推進しそうな人物で内閣を固めるとの警戒感も市場で広がっていた。
だが今回の発表を受けてペソはドルに対して0.9%高となり、世界全体の相場上昇をけん引した。
シェインバウム氏はメキシコの国連大使を務めた経歴を持つフアン・ラモン・デラフエンテ氏を外相に指名した。
エブラルド、デラフエンテ両氏は20日にメキシコ市で行われたイベントで次期大統領が発表した閣僚6人に含まれる。
原題:Sheinbaum Picks Ebrard as Economy Chief, Sparking Peso Rally (2)(抜粋)
--取材協力:Vinicius Andrade、Cyntia Aurora Barrera Diaz、Jose Orozco.
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Maya Averbuch, Michael O'Boyle