ラブライブ!声優・飯田里穂、「てれび戦士」の失敗体験がMCの土台に
NHKの子供向け番組『天才てれびくん』に子役で出演し、アニメ『ラブライブ!』の星空凛役で人気声優の仲間入りを果たした飯田里穂。昨年の冬には、ソロ歌手としてZeppダイバーシティでワンマンライブを行った。幅広い活躍を見せる飯田は、今年で芸歴18年を迎える。
芸能界入りは大好きなテレビ番組の「住人」になることが目的だった
「実は、芸能界に入りたかったわけではないんです。ただ、学校、家、『天才てれびくん』の世界、があると思っていただけなんです」 『天才てれびくん』の世界にどうしても入りたくて、現在の所属事務所に応募した。2000年、テレビドラマ『百年の物語』で女優デビューし、2002年、11歳のとき、夢にまで見ていた『天才てれびくん』の「てれび戦士」として4年間、レギュラーを務めた。
「てれび戦士」の経験がMCの土台を作る
現在は、『佳代子の部屋~真夜中のゲームパーティー~』(フジテレビ系)や『COUNTDOWN FRIDAY 飯田里穂のオールアニソンTOP20』(TS ONE)などで番組MCを担当している。今でこそMCを堂々とこなす飯田だが、それは『天才てれびくん』での苦い経験があったからだという。同番組では週に1度、生放送で出演者たちが、チームに分かれて競い合うゲームコーナーがあった。 「最初、クイズゲームに何も考えずに、回答したことがあったんです。そうしたら、盛り上がらないまま終わってしまって、収録後に怒られたことがありました。“説教”ではなく“指導”という表現が正しいのですが。収録が終わって控室に戻ると指導係の人が待っていて、反省会をするんです」 そこでは毎回、自身のトークでの反省点を挙げ、どうしたら改善できるのかを考えてきた。そんな当時の経験とスタッフの温かい指導が、今の仕事に生かされているという。
不安はいつもあるけれど、ファンには楽しい姿を見てもらって、一緒に成長したい
子役、歌手、声優など、マルチな活動をしてきた飯田だが、新しいことにチャレンジするたびに、不安との闘いが絶えなかった。 「これまでいろいろなジャンルでお仕事をしてきましたが、不安なく乗り越えてきたわけではないんです。今の時代ならSNSを通じて自分の思っていることを発信するのは簡単ですが、楽しい姿を見ていただいて、ファンの皆さんと一緒に歩んで成長していくことが大事だと信じています」 ワンマンライブでは、ステージに立つのはうれしい反面、「必ずライブを盛り上げなくては」など、怖さのようなプレッシャーを感じていたという。 「年末のライブで、ファンの皆さんの表情を見たときは幸せでした。開演するまでは、緊張と恐怖でいっぱいだったんですけど、始まってしまうと“これだ!”って感じました」 遊びに来てくれた人たちに楽しんでほしい、そんな気持ちが前面に出せたせいか、ライブは大盛況のまま終えた。 「私は何も考えていないと思われるんですけど、実はいろいろと考えている人間なんです(笑)」 スポットライトを浴びているキラキラしたイメージ以外にも、恐怖心や弱さを持つありのままの自分をファンに伝えていきたいとも願っている。 (取材・文・撮影:野島亮佑) ■飯田里穂(いいだ・りほ) 1991年10月26日生まれ。埼玉県出身。愛称はりっぴー。『天才てれびくん』に2002年から4年間出演。その後、女優、歌手、声優、MCなど、様々なジャンルで活躍の場を広げる。