平本丈が語る、プロ2戦目の覚悟と兄・平本蓮との絆「より強くなった自分を見せられる」ジョリーの挑発は一蹴
■楽しさとつらさのバランスで乗り越える日々の練習 プロ2戦目も冷静さを保つ
日々の厳しいトレーニングに取り組む中で、丈が常に大切にしてきたことは「新しいことを学ぶ楽しさ」だ。練習はつらいものだが、それ以上に新しい技術や動きを習得する喜びがあると語る。 「練習がただつらいだけだと続かないので、新しいことにどんどん挑戦しています。いつも同じことばかりやっていては、成長も感じられないですし、飽きてしまうじゃないですか。常に次のレベルに進むために意識しながら練習することで、着実にステップアップできています。それが試合でしっかり出せるのか、早く試してみたいです」 こうしたアプローチで、丈は着実にステップアップしてきた。現在は技術的な面での自信が深まり、今度の試合でそれを試すことを楽しみにしている。「自分が練習で積み重ねてきたことを、試合でしっかりと出せるようになりたい」と期待を語る。 前回の大みそかのデビュー戦は、2万人以上の観客が集まったさいたまスーパーアリーナだったが、丈は「思いのほか緊張しなかった」と語っていた。しかし今回は“格闘技の聖地”後楽園ホールという特別な舞台に立つことで、新たな緊張を感じている。 「これまでに兄貴の試合はもちろん、いろんな選手の応援で見に行ったりしていた場所で、自分がそこで初めて試合をするのは不思議な感じです。楽しみですけど、身内の顔もよく見えそうだし、お客さんの声もけっこう聞こえると思うので、逆にそれがプレッシャーになるかもしれないですね。ただ、前の試合と同じように自分の世界に入ってしまえばこっちのものなので、周りの雰囲気に飲まれないように自分の世界で戦います」と冷静さを保つ自信を見せた。
■“唯一無二のファイター”兄・平本蓮からの影響と、兄弟だからこその特別な絆
今回の対戦相手である木村について、丈は「キックボクシングができる強いストライカー」と評価しつつも、あくまで自分の動きにフォーカスする考えを示している。「兄貴やコーチの大塚隆史さんのチームが作戦を考えてくれて、そこを信頼して僕は自分の動きを出すことに集中します。相手が何を出すから何を狙うとかじゃなく、試合中にどんな状況になっても動けるように体に染み込ませてきました」。 兄の蓮は、7月の『超RIZIN.3』の朝倉未来戦に向けて過去最大に厳しい練習で自分を追い込み、勝利を掴み取った。それを間近で見ていた丈も、プロファイターとして大きな影響を受けた。「兄貴は16歳でプロデビューして、試合前にいつもキツい練習をしてきたのを見てきましたが、今回は明らかに今までより激しくやっていたし、思いも乗せて練習して体を作り込んでいました。兄貴とはいえトップ選手を間近で見られることは、とてもラッキーだと思っているので、その姿勢を自分も絶対に見習わないといけないし、本当に勇気をもらえたので、自分も気が引き締まっています」。 兄の存在は、彼にとって単なるアドバイスをもらう存在にとどまらず、格闘家としての生き方そのものを学ぶ重要な存在だ。「兄貴の練習や考え方を見ていると、自分もそうならなければと思います。格闘技は本当に厳しい世界ですが、兄貴の姿を見ていると、どんなにつらくてもやり抜かないといけないと思えるんです」。今回の試合のセコンドは、信頼する兄と大塚コーチがつく予定となっている。 今大会には、平本兄弟と古くからの練習仲間である“ハセケン”こと長谷川賢も出場することも、丈にとっては心強い。「兄貴も僕も昔から付き合いがあって、前回の雨が降ったDEEPの屋外での試合は大変そうでしたが、ハセケンが試合をしている姿を見てうれしかったし、まさか同じ大会で試合をするなんてデビューしたときは思ってもみませんでした。楽しみだし、一緒に出られる心強さも感じています」。