韓国副首相「経済安心できない、来年の成長率下落不可避」
崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官が来年の韓国の経済成長率が1%台に落ち込む可能性を示唆した。崔副首相は23日、「来年の成長見通しはさまざまな下方リスクが大きいため下落は避けられない。潜在成長率より小幅に下回る可能性が大きいものとみられる」と話した。12月3日の非常戒厳事態後に初めて行った記者懇談会でのことだ。韓国の潜在成長率が2%程度である点を考慮すると、成長率が1%台後半にとどまるという意味と解釈される。 崔副首相は現在の経済に対し「内需が振るわない状況で最近の政治的状況のため心理が萎縮した。(弾劾政局の)急変動は多少緩和したが安心はできない」と診断した。崔副首相は「最近のドル高の懸念の半分は強いドルのためだが、半分は政治的(弾劾)問題のため。外国人が過去の弾劾政局では政治システムの不安定性が経済に及ぼす影響は限定的とみた。だが『今回もそうなるのか』という疑問がある」と話した。これまで展開してきた景気楽観論とは論調が異なる発言だ。 「来年上半期には危機意識を持って働かなければならない」と強調した彼は、与野党政府協議体の稼動を解決策として提示した。彼は「協議体が経済問題について合意し、必要な法案を速やかに通過させてこそ経済不確実性を解消できる」と話した。 内需対策のひとつとして議論される追加補正予算編成と関連した言及も基調が変わった。彼は「(国会で)通過した予算がまだ執行されていない状況なのでひとまず来年1月1日から予算が執行されるよう最善を尽くすことが優先」と前提にした。その上で「政府の積極的な役割が必要だという問題意識を持っており全面的に同意する。追加議論を検討する」とした。一部から出る早期追加補正予算の主張に対しても「過去よりははるかに危機意識を持って積極的に対応する。財政の持続可能性の範囲を超えない範囲でどのようにするかは常に開かれている」と答えた。 崔副首相は近く発表する来年の経済政策方向に対しては「民生」を最も緊急な政策課題とみて、政策金融、公共機関投資、民間投資など使用可能な資源を総動員することにした。大きく▽対外信用度向上▽通商環境の不確実性対応▽堅固な産業体質への転換など4種類の方向性を打ち出す構想だ。 彼は「対外信用度を維持するのに特に神経を使っている。外国人投資と関連したインセンティブを画期的に変えたい」と強調した。弾劾問題と米国の第2次トランプ政権発足を控え海外リスク管理にさらに気を使っていくという意味だ。彼は続けて「(経済政策方向について)大統領室と全く疎通していない」と強調した。政治力学とは別個で純粋に経済の側面だけ考えていくという説明だ。 非常戒厳事態と関連しては言葉を控えた。戒厳宣布直前に開かれた閣議への出席と関連した質問に対しては「閣僚として責任を痛感する。捜査で替えたい」と話した。韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行の内乱特検法受け入れと関連しては「閣議で(閣僚の)意見を求める手続きがあるだろう」とだけ述べた。 一方、崔副首相は「携帯持ち込み免税酒類の2本制限をなくしたい」と明らかにした。現在海外旅行者は酒類を「2リットル、400ドル以下」を限度に2本まで免税で持ち込める。規定を変え本数制限だけなくすという話だ。崔副首相は「大きな変化ではないが消費者の選択権が拡大するだろう」と説明した。