【ヤクルト】西川遥輝の「経験」と丸山和郁の「成長」 コーチが語った“新1・2番コンビ”の貢献度
ヤクルトは交流戦を4位で終え、9勝7敗2分けと勝ち越しを決めた。6月21日からのリーグ戦再開後は、その勢いをさらに加速させたいところだ。 【動画】西川遥輝が決勝の犠飛!ヤクルトが接戦を制する 現在27勝33敗4分けとリーグ5位タイだが、6月に入り投打がかみ合ってきた。投手では奥川恭伸が980日ぶりの復活勝利、山野太一が今季初登板初勝利を挙げるなど、先発陣も整いつつある。 打線はリードオフマンの塩見泰隆が離脱するなど故障者も多いが、6月に入って1番の西川遥輝、2番の丸山和郁の“新1・2番コンビ”が打線に活力を与えている。 この2人の存在が、チームにどんな影響をもたらしているのか、大松尚逸打撃チーフコーチが語ってくれた。 大松コーチはまず「去年もそうですけど、どうやって1・2番に出塁率の高い選手や相手にプレッシャーをかけられる選手を置けるかというのは、チームとしても何とかしなければいけないところだった」と、チームの課題に目を向けて話した。 その点、1番に起用されている西川については「こっちが想定していることをやってくれる」と、酸いも甘いも知る32歳の姿勢を高く評価する。相手投手に球数を多く投げさせる打席での粘りや、出塁への執念を称えた上で、「経験値が全然違う。『1番』の経験もそうですし、野球観というところも」と、若手選手にも大きな影響を与えているようだ。 2番の丸山については「タイミングの取り方がめちゃくちゃうまくなった。再現性が高くなった」とし、これまでは直球への対応に苦労することもあった丸山だったが、「いつでもバットを出せる状況ができるというところが、好調の要因だと思う」と、タイミングの取り方が向上し、打撃面での成長が伺えると話した。 「チームとしても、ああいう活躍というのは勢いに乗るというか、何でもやってくれますしね。バントもできるし、出塁率は高いし、3‐2カウント(フルカウント)もつくるのもうまい」と、丸山はここまで51試合に出場して打率.302、出塁率.382と、プロ3年目で好結果を生み出している。 西川も55試合に出場して打率.244と2割前半だが、出塁率は.335を記録。丸山と2人で、クリーンアップにつなげる役割を十分に果たしていて、大松コーチも「助かっています」と、チームへの貢献度が高いことを認めている。 6月4日の西武戦(神宮)では、延長10回に丸山がサヨナラ勝ちを呼びこむ内野安打で試合を決め、丸山と西川は抱き合って勝利を祝った。交流戦での印象的なシーンのひとつとなった。 ヤクルトは打線の中軸として、村上宗隆の他にドミンゴ・サンタナ、ホセ・オスナの両外国人、長岡秀樹、山田哲人も加えた長打を打てる選手が多く控えているだけに、1・2番がつないでいければ、得点力もアップする。同コーチもそんな打線について「みんなが自覚してできるようになってきています」と、手応えを得ている様子だった。 現在、首位広島とは6.5ゲーム差だが、逆転優勝も可能なラインにいる。ヤクルトが混戦セ・リーグの主役となれるか、打線を引っ張る1・2番の活躍に注目だ。 [文:別府勉]