足羽山周辺に出没したサル＝7月2日（福井市提供）

　福井県福井市の足羽三山（足羽山、兎越山、八幡山）周辺の住宅地で、野生のサルの出没が相次いでいる。市には昨年秋から断続的に目撃情報が寄せられ、市有害鳥獣対策室は数カ月にわたって1匹が定着しているとみている。人的被害は確認されていないが、「発見した際は目を合わせず近づかないで」と注意を呼びかけている。 【写真】福井市の住宅街では6月にクマも 　昨秋ごろから足羽山公園遊園地周辺でサルが目撃されるようになり、対策室の担当者も出没を確認した。全てが同一個体かは不明だが、目撃状況から「1頭が定着しているのではないか」とみている。福井新聞の「ふくい特報班」（ふく特）にも今月中旬、「おさごえ民家園やカルチャーパーク近辺にサルがすみ着いている」との投稿があった。 　対策室によると、成長したサルが群れを離れ郊外の山を東西に移動する際、足羽三山を経由することがある。周辺ではこれまで最初の目撃情報から2カ月ほど後には別の場所に移ったとみられるケースが大半で、半年以上にわたる断続的な出没は珍しいという。 　目撃情報が集中しているのは足羽山南側から兎越山と八幡山の間の一帯で、門前町や福町、月見5丁目など。カルチャーパークの約1キロ東には福井赤十字病院や豊小があり、住宅が密集している。対策室はパトロールを実施するとともに、おりを設置し捕獲を試みている。野生のサルに食べ物を与えると人慣れが進み凶暴化する可能性があることから、担当者は「餌となる食べ物を与えず、刺激しないようにしてほしい」と話している。 　　×　　×　　× 　福井新聞「みんなで発掘 ふくい特報班」（ふく特）は、暮らしの中で感じた疑問や地域の困りごと、不正の告発といった情報を寄せていただき、記者が取材を進める調査報道企画です。